2022 Fiscal Year Research-status Report
群知能型最適化法による手軽なホモクリニック分岐導出法の提案と応用
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22K12181
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松下 春奈 香川大学, 創造工学部, 准教授 (00604539)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 分岐点探索 / 差分進化 / 粒子群最適化法 / 分岐解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、勾配法を用いない群知能型最適化法による、手軽かつ高精度な分岐解析手法の提案を目的としている。これまでに提案した粒子群最適化(PSO)による分岐探索手法は、様々な分岐点探索に応用されてきたが、局所分岐点は周期倍分岐点とサドルノード分岐点の探索の有効性のみの確認に留まっていた。そこで、Neimark-Sacker分岐への適用方法を提案し、その有効性を確認した。これらの成果は学術論文へ投稿し、発表済みである。また、あらかじめ決められたルールに従ってパラメータを切り替えることで、余次元1の分岐だけでなく、同じ目的関数を用いて余次元2の分岐を探索可能とした。アルゴリズムを変更することなく、探索分岐点の種類を増やした本成果は、学術論文へ投稿中である。 次に、探索時間の削減に関する研究を行った。まず、入れ子構造型PSO(NLPSO)をGPUへ実装し、大幅な計算時間短縮に成功した。本手法は単純にNLPSOにGPUへ適用するのではなく、より効率的な分岐点探索を可能とする工夫を取り入れた手法である。また、これらの手法をソフトウェアパッケージとして開発することにも成功した。この成果は学術論文として発表した。また、既存の手法であるPSOと比較し、差分進化(DE)が分岐点探索に適していることを詳細に調査、考察した。入れ子構造ではなく単一のPSOによる分岐点探索は、PSOの特性により、収束に時間がかかる上に探索失敗の確率が高い場合がある。一方、収束速度に特化したパラメータ設定を行ったDEを用いることで、単一構造であったとしても、より高速かつ正確に分岐点探索が行えることを調査、確認した。このDEを用いた手法の適用可能範囲や適切なパラメータ調査などを引き続き行っていく。これらの結果は順次国際会議や学術論文として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目で行う予定であった、分岐点探索力の向上に関する調査を既に終えている。それらの結果は学術論文として発表できている。また、ホモクリニック点の導出へのPSOの実装を済ませている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ホモクリニック点の導出に関して、様々な力学系へ応用し、その有効性を確かめる。また、PSOだけでなく、より探索力の強いDEによる導出も試みる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、いくつかの会議がオンライン発表となったため。
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