2023 Fiscal Year Research-status Report
操縦動作における筋感覚と運動インピーダンスの関係解明とフィードバック技法の開発
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22K12223
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 良幸 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40336920)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋感覚 / 運動インピーダンス / 身体運動制御メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,上肢によるVR運動タスクとして,VRカーリングタスクを作成するとともに,リニアモータを組み込んだアクティブ/パッシブ型反力提示装置と連動させるための制御システムを完成させた.操縦者はVRヘッドマウントディスプレイを装着し,反力提示装置のハンドルを前後左右にスライドさせて,向かってくるPuckをMalletで打ち返すことが課される.PuckとMalletが衝突する際は,反力提示装置から摂動パターンが提示される. 上肢姿勢を維持させてPuckを受け止める受動的な条件を設定して,速度が異なる3種類の摂動パターンを用意して筋感覚の特性を実施したことろ,摂動パターンによって知覚量が変化することを明らかにした.そして,その変化の具合は,摂動パターンを与える方向によっても変化することを明らかにした.そこで,次年度の研究内容を踏まえて試行的ではあるが,運動インピーダンスと密接な関係がある上肢姿勢と上肢筋群の活動レベルを変えて実施したところ,筋感覚の特性には大きな影響を与えないことを確認した.その一方で,受動的な条件において知覚量に大きな変化が観られた方向に限定して,MalletでPuckを打ち返す能動的な条件で実施したところ,知覚量の変化は摂動パターンよりも操縦速度による影響が大きくなる傾向を確認することができた.上述の結果を踏まえて,筋感覚の時空間的な特性を考慮した訓練メニューの考案に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
限定的な条件ではあるが,筋感覚の時空間的な特性を確認するとともに,運動インピーダンスとの関係を予測する基礎結果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の目的を達成するため,最終年度の前半でVRカーリングタスクにおける筋感覚と運動インピーダンスの測定実験を実施するとともに,それらの相互関係を明らかにする.そして後半では,それまでに得られた知見に基づいて,感覚と運動の相互関係を考慮した訓練メニューを考案していく.
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Causes of Carryover |
少額備品を幾分か低価格で購入できたのが理由であり,翌年度分と合わせて物品費等として使用する計画である.
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Research Products
(3 results)