2022 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質立体構造に基づく分子機能部位の網羅的解析と細胞機能の理解への展開
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22K12240
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西 羽美 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40745121)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | タンパク質立体構造 / タンパク質の機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質が分子機能、および分子機能に基づく細胞機能を発揮するにあたっては、その機能部位の立体構造上の位置とその相対配置が重要だと考えられる。従来、立体構造上での機能部位の議論は構造情報の少なさから困難であったが、2021年にAlphaFold2による予測構造データベースAlphaFold Structural Databaseが公開されたことから、状況が大きく変化した。そこで本研究はこうした予測DBの構造網羅性を活用し、これまで不可能であった全タンパク質の分子機能部位の立体構造解析を行う。さらに、分子機能部位の相対配置とタンパク質の細胞機能との関連性、および進化の過程での機能獲得プロセスについて、立体構造の側面から解明することを目指す。研究計画に基づき、本年度は主に機能部位の部分構造データの取得に力点を置いた。特に計画当初はAlphaFoldDBが登場した直後であったが、当時と比べAlphaFoldの予測構造を用いた2次的な解析および2次データベースが充実してきているため、そうしたデータの活用を重視した。たとえば、AlphaFold2はタンパク質の構造のみを予測し結合する低分子構造を含まないが、これを補うデータベースとしてAlphaFillが登場している。複合体構造についても、ヒトに関しては網羅的に相互作用ネットワークおよび複合体を探索した例が発表されたため、これを利用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定していたデータセットの収集を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画に沿って各種データの統合と部分構造の関係性、細胞機能の解析に取り組む。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症のため、年度の前半で予定していた学会参加を取りやめるなどの事態が生じたため。
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Research Products
(2 results)