2022 Fiscal Year Research-status Report
反転授業とバーチャル患者シミュレーターを活用した医学臨床実習教育の有効性
Project/Area Number |
22K12300
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
武田 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90343540)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バーチャル患者 / シミュレーション / アナフィラキシーショック / 敗血症性ショック / 高規格シミュレーター / 診断 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
バーチャル患者シミュレーターを活用した「Body Interact」を医学生の臨床実習に既に取り入れている。このバーチャル患者シミュレーターは、個人の臨床実習の事前学習になるだけではなく、複数の医学生で一つの症例を議論しながら診断治療していくプロセスでも活用が可能であり、さまざまな可能性を秘めたシミュレーション方法かと考えている。 今回の研究では、医学生の臨床実習において、1)e-ラーニングによる反転授業とバーチャル患者シミュレーターを組み合わせた事前学習は、知識だけではなく技能や態度においても有効か?、2)これらの効果を忠実度の高い高規格シミュレーターやビデオデブリーフィングで評価することが可能か?、3)このシームレスな組み合わせによる臨床実習により、臨床現場で直ぐに働ける実践的な医学生(研修医)を育成できるか?、を明らかにすることを目的としている。 毎週月曜日に医学科4-5年生に対して、また毎月医学科5-6年生に対して、バーチャル患者シミュレーターを活用した「Body Interact」を渡し、2つの典型的なショック症例(アナフィラキシーショックと敗血症性ショック)の症例を必ず経験させ、その診断課程、安定化課程、治療過程、について情報収集を続けている。また医師国家試験でのこれらのショックに対する過去問を解かせて、「Body Interact」による学習が一つのゴールである医師骨幹試験の知識に対して効果があったのかを検討している。引き続きデータ収集を続けていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
毎週月曜日に医学科4-5年生に対して、また毎月医学科5-6年生に対して、バーチャル患者シミュレーターを活用した「Body Interact」を渡し、2つの典型的なショック症例(アナフィラキシーショックと敗血症性ショック)の症例を必ず経験させ、その診断課程、安定化課程、治療過程、について情報収集を続けている。また医師国家試験でのこれらのショックに対する過去問を解かせて、「Body Interact」による学習が一つのゴールである医師骨幹試験の知識に対して効果があったのかを検討している。 この「Body Interact」によるデータ収集は順調に進んでいるものの、その後の高規格シミュレーターを使用した、アナフィラキシーショックと敗血症性ショックに対して、事前学習がどのような影響を与えて、どのように手技と態度を変えることができたか、については、新型コロナの影響もあり、全員からのデータ収集ができずにこの部分が遅れている。 今後はこのface to faceの高規格シミュレーターを使用した実際の手技と態度の部分の評価を強化して、データ収集を続けていきたい。 さらに、新型コロナの影響で、学会発表の機会も制限されてきた。今年度は外部へのアウトプットとそのレスポンスを得てさらに研究を進めていきたい。 また医師国家試験の点数の改善が図れるかどうか、についても引き続きのデータ収集を続けていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている、高規格シミュレーターを使用した、アナフィラキシーショックと敗血症性ショックに対して、事前学習がどのような影響を与えて、どのように手技と態度を変えることができたか、については、今後はデータ収集を強化して進めていきたい。 また医師国家試験の点数の改善が図れるかどうか、についても、「Body Interact」のバーチャルな経験が、知識の部分でも効果があるのか、を明らかにできる可能性があり、この部分においても引き続きのデータ収集を続けていきたい。 さらに、新型コロナの影響で、学会発表の機会も制限されてきたので、今年度は外部へのアウトプットに力を入れ、そのレスポンスをより積極的に得られるようにして、さらに研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、face to faceによる高規格シミュレーターによる評価ができず、研究の進展ができなかったため。また同様に新型コロナの影響で学会発表の機会を作ることができず、そのための予算を執行することができなかったため。
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