2023 Fiscal Year Research-status Report
小学生を対象にした食育が食や食品ロスに関する意識におよぼす影響
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22K12485
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
和田 有朗 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (00441410)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食育 / 食品ロス / 食の循環 / 小学生 / 意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果および関連資料・文献調査から得られた先行研究を参考に、小学生の食や食品ロスに関する意識を踏まえ、食育の受講の有無と食や食品ロスに関する意識の変化との関連を分析するためにアンケートの作成・設計を行った。 次に、食育に使用する動画について、先行研究を参考に、動画①として「食べ物の循環と食品ロス」、動画②として「自分たちにできること」に関する動画を作成した。食育の実施では、本研究で作成した動画①と動画②を視聴してもらう方法をとった。 小学生を対象に食育を行い、実施前後にアンケート調査を行った。調査結果から、現状の小学生の食べ物を大切にする意識や、食品ロスに関する知識、食品ロスを発生させない行動、および小学生が食育を受講することによるそれらの意識の変化を考察した。現状の小学生は、日頃から食べ物を大切にしており、食品ロスという言葉自体は、ある程度認知されている。そして、食品ロスを発生させない行動の中では、比較的取り組みやすい行動は実践できている小学生が多いが、取り組みにくい行動は、実践できていない小学生が多いことが確認された。 クロス集計およびフィッシャーの正確確率検定の結果から、消費期限と賞味期限の意味の違いを知っている人の方が、消費期限や賞味期限をチェックする傾向がある。また、食べ物をむだにしないためにしてみたいことの中で、「消費期限や賞味期限をチェックする」の回答割合が高く、「その他」の回答でも、消費期限や賞味期限を確認して、できるだけ早く食べることなどが挙げられていた。以上のことから、消費期限と賞味期限の意味の違いや、表示されている食品と保存方法に関する教育は効果が期待できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、既往研究等を参考に、小学生を対象に食育とアンケート調査を実施し、一定の研究成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画を少し変更し、すでに実施した食育から出てきた問題点等を改善した食育について小学生を対象に実践し、実践前後にアンケート調査を行い、食育の受講の有無と食や食品ロスに関する意識の変化との関連を分析する。そして、今後の食育の指導方法(指導書案)の方向性の考察・提案を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗は概ね計画通りであるが、人材の確保ができず人件費があまり発生しなかったため、次年度の調査に使用する。
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