2023 Fiscal Year Research-status Report
新規クラスター負イオンビーム源の開発:反応性プロトン含有FIB技術のSIMS展開
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22K12666
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 幸雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 上級主任研究員 (60415742)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イオンビーム / イオン液体 / 表面分析 / 二次イオン質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体金属イオン源は、集束性に優れており、集束イオンビーム装置に搭載され、ナノテクノロジー等を支える重要な技術となっている。液体金属イオン源は、テーラー・コーンの先端から金属の正イオンを電界放出させて正イオンビームを生成する。しかし、金属の負イオンを電界放出することはできないため、負イオンビームは生成できない。一方、液体金属の代わりにイオン液体を用いるイオン液体イオン源は、正及び負極性のクラスターイオンビームを生成可能できる。 二次イオン質量分析は、試料表面にイオンビームを照射し、それによって真空中に放出されたイオンを質量分析することにより、試料構成元素の同定や濃度測定を行う表面分析技術である。SIMS用一次イオンビームとしては、一般的に正イオンビームが使用されるが、正イオンビームを絶縁性試料に照射すると、正電荷の蓄積による帯電という問題が生じる。帯電の影響でイオンビームが曲げられたり、二次イオン量の低下などの問題が生じる。対策としては、電子ビーム照射による帯電中和が行われることが多いが、有機系試料の場合には、電子ビーム照射に起因する材料劣化が問題になる場合がある。一方、負イオンビーム照射を用いると、二次電子放出によって生じる正電荷の蓄積と負イオン入射による負電荷がバランスし、帯電電圧を大幅に低減できる。 本年度は、昨年度製作した電気ヒーターと温調器を備えた針型エミッターを用いて、イオンビーム電流の温度特性を調べた。具体的には、イオン液体(EMI-Im)を用いてイオンビーム特性に対する温度効果を調べた。その結果、温度上昇によってイオンビーム電流が増大することが確かめられた。また、120℃まで温度を上昇させても、特に問題は起きず、単調にビーム電流が増大することが確認できた。温度上昇により、イオン液体の粘性が低下し、また導電率が上昇することがビーム電流増加の理由と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度制御機構を備えたエミッターを用いてイオン液体の温度を制御し、温度上昇によりイオンビーム電流値の増大を可能としたことは大きな成果と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
イオン液体ビーム中には質量電荷比の異なるイオン種が混在するため、質量選別機構を構築し、イオン種を選別可能としてチャージアップ電圧を調べる。
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Causes of Carryover |
ハイブリット参加方式の学会にオンラインで参加したため、旅費が未使用となった。次年度は、学会参加等による旅費の支出も予定している。
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Research Products
(1 results)