2022 Fiscal Year Research-status Report
Realisation of post-mortem data inheritance for personal data under the pandemic
Project/Area Number |
22K12724
|
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
折田 明子 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (20338239)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 裕志 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (20134893)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 死後のデータ / デジタル遺品 / プライバシー / データ継承 / デジタル・アーカイブ / 終活 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、残されたデジタルデータに関して、いわゆる「二人称の死」「三人称の死」としてとらえる立場ではどのように考えるのか、これまでに収集したデータの分析と関連研究の調査を行った。その結果、「二人称の死」すなわち親族の死に際しては、同居であることや続柄、葬儀参列の有無によってデータへの対応は異なっており、配偶者や親子といった一親等・二親等の関係では残されたデジタルデータへは肯定的な反応がみられた。ただし、残されたデータの加工やAIへの応用へは否定的であった。「三人称の死」として著名人の死に際しては、具体的な人物を想定した場合であっても残されたデジタルデータを閲覧する者は少数であり、かつそのデータを用いた新たな創作に対しては否定的であった。第二に、残されたデータの活用に関して、死後のサイバネティック・アバターを想定して検討を行った。本人の死後に消滅するか、あるいは運用するかといった場合において、本人が生前に行った契約や死後に発生する収入の帰属といった法的な課題の他、事業者の理由による消滅といった課題がみられた。第三に、いわゆる「デジタル遺品」や「デジタル終活」に関する現状の調査を行った。既に「終活」においてデジタルデータの扱いは一般的なものとなりつつあり、デジタル資産を含めた信託サービスもある。こうしたサービスでカバーできるものと見落としてしまうものについて検討をした。
これらを元に、現状と将来の可能性を見据えた上で、どのような選択肢が現実的なのかを検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現状サービスの調査や関連研究の調査は実施したものの、実務家や専門家へのヒアリングが実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度の結果を元に実務家や専門家へのインタビューを行った上でリサーチ・クエスチョンを設定し、2年目からは質的調査の実施に向けた準備をする。なお、研究計画当初はパンデミック下を前提していたが、COVID-19に関しては社会的な制限は解消しつつあるため、その状況を踏まえたクエスチョンとする。
|
Causes of Carryover |
研究計画の遅れから、ヒアリング調査および予備調査を実施できず次年度使用額が発生した。翌年度は、それらの調査を併せて実施する予定である。
|
Research Products
(11 results)