2023 Fiscal Year Research-status Report
医用画像生成ニューラルネットワークにおける共通特徴と固有特徴の独立学習手法の開発
Project/Area Number |
22K12771
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
越野 一博 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (90393206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 隆弘 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30739850)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / データ拡張 / 敵対的生成ネットワーク / 少数例学習 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医用画像群に存在する共通特徴と固有特徴を活用し、少数教師データでの高い画像生成能力をもつニューラルネットワーク学習の実現である。今年度は、3次元画像の生成および高解像度化を目的とした。同一被検者の脳18F-FDG PETおよびCT画像(例数318)を同時生成するための手法の検討を行った。生成画像の属性は横および縦方向画素数128、スライス数64である。 教師画像の3次元化および高解像度化に伴って、ニューラルネットワークのパラメータ数が増大した。それに比して、学習に利用可能なデータ数は少数であり、前年度と同じアプローチでは、高品質な画像を生成できなかった。そこで、共通特徴を大域的特徴、独立特徴を各被検者画像の固有の特徴と定義し直して、ネットワークの構築を行った。共通特徴の生成器(G1)に対して、10枚の3次元画像を教師画像セットからランダムにサンプリングし、平均化した画像を学習させた。独立特徴の生成器(G2)の学習過程においては、G1はパラメータ変更を不可とし、G2の役割は、G1が生成した画像に対する独立特徴を画像に付与することとした。 生成画像に求められる条件は、実画像に類似しつつ、バリエーションを持つことである。この条件を客観的に評価する指標の構築も目指した。実画像との類似性は、実画像群と生成画像群との距離を測るFrechet Inception Distance(FID)、生成画像の多様性についてはPETおよびCTのそれぞれの生成画像群における画素単位の標準偏差(SD)とした。生成画像過程のPET画像についてのSD/FIDとCT画像についてのSD/FIDの和が最大になるエポックにおける(学習回数の単位)を決定した。導入した指標は、視覚的評価との矛盾はなく、生成器の画像生成能力を測る客観的指標として利用可能と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの異なるモダリティからなる高解像度3次元画像の生成を可能とするネットワークおよび学習方法、生成画像の質を客観的に評価しうる指標を定義した。本研究の目的である少数教師データでの高い生成能力をもつニューラルネットワーク学習の実現に近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度とは異なる撮像部位(体幹部)を対象とする画像を用いて、本手法の汎用性を評価する。生成画像の質向上と、より少数の教師画像での学習を可能にするネットワークの構築を行い、教師画像に対する生成画像の忠実度を、読影医による視覚的評価や定量的指標を用いて評価する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究分担者への配分額と、研究会が近隣で開催されたため、旅費を使用しなかったためである。高解像度3次元画像の生成を可能とするネットワークの基本構造が定まったので、今後はハイパーパラメータチューニングを効率化するための計算機器の追加購入と、研究成果発表の旅費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)