2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of anti-infective nanoparticles with an external stimulation
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22K12829
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
古薗 勉 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30332406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 慶直 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90333509)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / チタン / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅人工臓器治療(在宅透析・補助人工心臓)を推進する上で懸念されるのがデバイス感染症である。本研究課題では、生体親和性と抗感染性の相反する機能の両立を目指した新規ナノ材料の開発を行うことを目的とする。具体的には、生体親和性に優れるハイドロキシアパタイト(HAp)に触媒活性を付与したチタン(Ti)イオン置換型HApナノ粒子、さらに触媒活性を高めた酸化チタン(TiO2)/HApハイブリッドナノ粒子の製造技術の創出、およびナノスケール界面コーティングを可能とする新規な抗感染性ナノ粒子・高分子複合材料の開発する。 触媒活性の向上にはHAp構造中へのTiイオン置換率の向上、並びにTiO2/HApハイブリッドナノ粒子の合成は不可欠であることから、添加試薬濃度の変更や仮焼温度の制御により目的物質の合成法を確立する。これら材料特性の異なるナノ粒子を得た後、詳細な物性および生物学的評価を行うことにより生体親和性と抗感染性が最適化されたナノ粒子の選定を行い、抗感染性デバイスコーティング用ナノ粒子としての有用性を明確化することを目的とする。 本研究課題の初年度における実験計画では、以下の3項目の達成を目的とした。(1)Ti置換率の異なる高分散性・高結晶性Ti-HApナノ粒子の調製、(2)各種分析法を用いたナノ粒子キャラクタリゼーション、および(3)抗菌性の評価である。その結果、(1)結晶構造を維持可能な600 ℃仮焼で、Ti置換率30%のTi-HApが調製可能であった。さらにTi仕込み比を増やすと、結晶性TiO2が混入することが判明した。(2)X線回折、フーリエ変換赤外分光法、および誘導結合プラズマ発光分光分析装置等を用いて評価することにより、TiO2を含まないTi-HApナノ粒子を得られたことが確認された。(3)病原性細菌を用いた光照射実験により、比較対象に比較して有意な抗菌性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載された実験計画通りに研究が進展していることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる機能性の向上を目指し、分散性に優れたTiO2とHApとのハイブリッドナノ粒子の合成法を確立し、その有用性を明らかにする。
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Research Products
(6 results)