2022 Fiscal Year Research-status Report
Continuous estimation of pulmonary artery pressure fluctuations based on non-invasive measurement using microwave radar
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22K12917
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鈴木 哲 関西大学, システム理工学部, 准教授 (50306502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 光鎬 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (80756677)
星賀 正明 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90309154)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非侵襲計測 / 肺動脈圧 / 推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では,マイクロ波レーダーを用いた非侵襲での肺動脈圧変動の推定法の開発を目的としている.そのために,①非侵襲計測に基づく推定方法の理論的構築と推定式の開発,また,②血流・圧変動計測に適した仕様の非侵襲計測システムの試作,および検証のための③Vitro評価系の開発・検証実験と被験者による検証実験,さらに,実際の医療現場における心不全患者への適用による④臨床データ収集,の4点を検討する. 当該年度は,①理論構築と推定法の開発,②計測システム開発,③Vitro評価系の開発の3点を対象とした. まず,①理論構築と推定法開発については,現状で透過波と反射波を用いた2種の方法を検討し,現在権利化を予定している. また,②計測システムについては,Lバンド帯とKバンド帯の2つのシステムを比較して検討を行った.Lバンド帯のシステムはパッチ式の送受信アンテナを用い,またKバンド帯は指向性を上げるためにホーンアンテナを用いた.双方とも反射波を検出することにより肺動脈の動きを検出した.このシステムの評価のため5名の被験者に協力を依頼し実施した予備実験では,拍出量低下に伴い反射波も変化することを確認でき,特にホーンアンテナを用いたKバンド帯のセンサは明確な動きを検出できたことから,センサシステムの構築は成功したと考えられる. さらに,③Vitro評価系についても,生体模擬溶液を用いた生体透過ファントム内に心臓を模したバルーンを設置し,ロボシリンダを用いて動的に再現するシステム構築に成功した.その他Vivo評価系として,被験者の協力による肺動脈圧変動を模擬的に生じさせる下肢陰圧試験装置の構築を行った.結果として陰圧負荷により拍出量低下を確認でき,Vitro,Vivo評価系双方においてその効果を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度で対象としている理論構築と推定法の開発,計測システム開発,評価系の開発の3点すべてにおいて,想定通りの進捗と良好な結果を一定程度得られたことから,順調に進められていると判断できる. なお,当初計画時にはASV(Adaptive Servo Ventilation)装置を用いて陽圧負荷試験を実施し,血圧上昇時の肺動脈圧変化の挙動を調査する予定であったが,被験者の安全上好ましくない可能性があったことから,本年度の調査実施は控えることとした.
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Strategy for Future Research Activity |
理論構築と推定法開発については,権利化手続きを完了させる予定である.また,計測システムについては,小型のKバンド帯のシステムの更なる作りこみと,開発した推定法のソフトウェアシステムを開発し,センサシステムと合わせて実装させ計測システムとして完成させることを検討する.その他,混入が想定されるノイズの処理方法を検討し,実装できるか検討する予定である. 完成したVitro評価系については,実験条件を変えて計測システムの評価を実施する.また,Vivo評価系については,完成させた陰圧負荷装置を用い血圧を低下させるだけでなく,逆に陽圧負荷を与えることで血圧を上昇させることができるか検討する予定である.これは当初予定してたASV装置による陽圧負荷試験に問題があったことから,それを補うための実験法として検討する. さらに,次年度以降の臨床的調査を目指すため,これら開発したシステムを用いて実験を重ね,計測システムと評価系の改良を行う.
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品の価格が変更され若干の減額があったことから差異が生じた. 次年度は消耗品費として使用する計画である.
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Research Products
(1 results)