2024 Fiscal Year Annual Research Report
An integrative study of compound predicates and the head-head merger
| Project/Area Number |
22K13104
|
| Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
秋本 隆之 工学院大学, 教育推進機構, 准教授 (70824845)
|
| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
| Keywords | 複合述語 / 動詞重複 / 分散形態論 / 語彙範疇 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分散形態論と極小主義統語論の二つの理論モデルを用いて複合という語形成を再検討し、複合語形成に関わる「主要部と主要部の併合」に提起される理論的問題と、①ー④の複合述語における「右側要素と複合語全体の性質」に関わる経験的問題の解決を通して複合語形成の理解と一般言語理論への貢献を目指した。①V-V型複合動詞(例:叩き壊す)、②X-V型複合動詞(例:手洗い(する))、③X-A型複合形容詞(例:根深い)、④X-A型複合形容名詞(例:骨太な)を分析対象とした。 研究期間全体の主な成果として、まずV-V型とX-V型複合動詞の形態統語的差異について、前者は前項要素が独立して書き出される一方、後者は前項・後項が同時に書き出されるという仮説を提案し、連濁の有無や「する」の必要性を統一的に説明した。また、日本語のPred主要部の異形態選択メカニズムを解明し、統語的範疇と形態的範疇の区別という新概念を導入することで、動名詞や形容名詞といった日本語特有の範疇を原理的に説明した。 2024年度は、①②の複合述語タイプに当てはまらない、連濁は起こらないが「する」の挿入を必要とする動詞重複現象(Verb Reduplication)に焦点を当て、その形態統語構造の解明を行なった。Travis(2010)の提案するInner Aspect仮説を援用し、vPとVoicePの間にAspPが投射されると仮定することによって動詞重複だけでなく「ひと+V」複合語(例:ひと拭きする)の特性についても説明できることを主張した。本研究の成果は、日本語の複合語形成に関する諸現象を統一的理論で説明することに成功し、言語理論の発展に寄与した。
|