2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13124
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂喜 美佳 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (30807897)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 音便 / 動詞の活用 / 『方言文法全国地図』 / サ行イ音便 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、方言における音便現象を詳細に記述し、それを元に地域間の比較・中央語史上の傾向との対比を行うことで、現在見るような音便現象の地理的広がりが、歴史的にどのように形成されたのかを明らかにすることを目的とするものである。本年度は、昨年取り掛かれなかった面接調査を行うことを計画していた。当該年度に実施した研究は以下の通りである。 (1)調査場所の選定、インフォーマントへの依頼:九州地方の数地点を選定し、インフォーマントへの依頼を行った。依頼した地域には該当するインフォーマントがなかなか見つからず難航した。 (2)予備調査(九州地方)の実施:(1)のようにインフォーマントが想定したよりも見つからず、また調査予定とインフォーマントの都合が合致しないことが続き、今年は一旦来年度調査を行うための下準備として、予備調査を行った。改めて足を運んで本調査の依頼も同時に行った。当初選定していた地点が限界集落であることを実際に訪れることで感じ、計画の変更を行わなければならないことが分かった。予備調査において対象とする音便現象が、高齢のインフォーマントであってもなかなか出現せず、さらに高齢のインフォーマントを探す必要が出てきた。 (3)予備調査(東海地方)の実施:東海地方においても、来年度調査を行うための下準備として、予備調査を行った。こちらもなかなかインフォーマントが見つからず難航したが、直接赴いて調査協力依頼を行った。 結果として当該年度も調査を進めることはできなかったが、来年度に調査を行う下準備はできた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」にも書いたように、調査計画の見積もりが甘く、調査対象として適切な、調査対象の音便を用いるインフォーマントに出会うまでに難航したため、本調査を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究内容に大きな変更はないが、実施できなかった面接調査を残りの研究計画に含め、遅れを取り戻す必要がある。遅れを取り戻す上で、次年度は調査を行いながら並行して分析も進めていく必要がある。
|
Causes of Carryover |
インフォーマントをなかなか見つけることができず、本調査を行うことができなかったため、費用がそのまま次年度使用額として残ることになった。来年度は、今年度行えなかった調査を含めて、計画していた調査を全て行う予定である。
|