2023 Fiscal Year Research-status Report
The relationship between economic conditions and portfolio risk
Project/Area Number |
22K13430
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
酒本 隆太 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (50880275)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 長期リスク / 異時点間のCAPM / モメンタム / バリュー / ファクター投資 / ベーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2本の国際査読雑誌を発表することができた(うちABS3が1本、SJRQ1が2本)。加えて6本のワーキングペーパーが完成した。Sakemoto (2023)では国際株式ポートフォリオの期待リターンと長期リスクの関係を異時点間のCAPMのフレームワークで検証した。その結果、長期バリューリスクは期待リターンと正の関係があり、長期モメンタムリスクは期待リターンと負の関係があることが明らかになった。この結果は米国を除いた国際ポートフォリオでより顕著な傾向となる。さらにCOVID-19に伴う市場の混乱期のデータを含めると上記の結果は弱まった。これはCOVID-19に伴う市場の混乱は、2008年のグローバル金融危機とは異なる構造を持つことが示唆される。 Nakagawa and Sakemoto (2023)ではCOVID-19に伴う市場の混乱後に生じて世界的なインフレーションの影響をヘッジする方法を提案した。コモディティがインフレーションのヘッジになるかは議論が分かれている。本研究ではコモディティ先物を保有するだけではなく、コモディティ先物よりも高いシャープレシオが期待されるコモディティ先物のファクターポートフォリオ(例 モメンタムやベーシス)などでインフレーションをヘッジできるかを検証した。その結果、モメンタムやベーシスモメンタム、さらには複数の戦略を組み合わせた場合はインフレーションショックをヘッジ可能であることを示した。この結果はコモディティ先物ファクターポートフォリオを用いることにより、高いリスク当たりリターンだけでなく、インフレーションのヘッジが可能であることを示している。本研究の内容は金融機関のリスク管理や投資戦略へ応用されることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトでは毎年、研究成果を出すことができている。現在、改訂中の論文、Nakagawa and Sakemoto (2024) では各ファクター間の相関や論文の仮説を明確化することを求められているため、対応を行っている。またSakemoto (2023)ではqファクターモデルの解釈の明確化やリスク価格のパラメータの解釈についての説明を求められているため対応を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
Asano, Cai, and Sakemoto (2023)では株式市場の時系列ファクターからambiguityを推定し、景気循環との関係を検証した。今後はこの手法を通貨ポートフォリオのクロスセクションの文脈に応用することを考えている。Menkhoff et al. (JF2012)ではクロスセクションのボラティリティが通貨キャリーポートフォリオの価格変動を説明できることを示したが、クロスセクションのambiguityと通貨ポートフォリオの価格変動の分析を現在行っている。 加えてNakagawa and Sakemoto (2024)ではコモディティ先物のファクター投資の分析を行った。これを社債市場に応用することを現在行っている。Nakagawa and Sakemoto (2024)ではファクターポートフォリオの組み合わせを行うことによりリスク当たりリターンが改善したが、社債でも同じことが言えるのかを検証している。また国ごとの社債ファクターの有効性の違いも検証を進めている。
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Causes of Carryover |
Iwanaga and Sakemoto (2023a)やIwanaga and Sakemoto (2023b)を投稿した際に追加の分析を求められたのが大きな理由である。Iwanaga and Sakemoto (2023a)ではグローバル株式指数と通貨のクロスモメンタム戦略についての分析を行っているが、そのメカニズムについての分析を求められている。Iwanaga and Sakemoto (2023b)では通貨モメンタムの戦略のリスク当たりリターンを向上させる方法を提案しているが、それと米ドル需要との関係をより明確化することを計画している。
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Research Products
(9 results)