2023 Fiscal Year Research-status Report
心理教育プログラムにおける教師の「児童生徒の強みを見出し生かす力」の研究
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22K13814
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
森本 哲介 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90780966)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 強み / ストレングススポッティング / 中学生 / 教師 / 教員養成 / 保育者 / バーンアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
学校教育機関において「強み(strengths)を中心とした介入プログラム(Strength-Based Program: SBP)」の実践に関連して,教師の児童生徒の強みを見出し生かす力である「教師ストレングススポッティング」に注目し,検証を行っている。 本研究では主な目的は①教師ストレングススポッティングの尺度の作成,②教師ストレングススポッティングと教師の日常の教育実践との関連を明らかにする③教師ストレングススポッティング育成プログラムの開発の3つである。 今年度の成果として、中学生を対象に,強みと学校エンゲージメント,対人的感謝の関連を検証し,強みを持ち日常生活で発揮することや自他の強みに注目することが学校エンゲージメントおよび他者に対する感謝と関連することを明らかにした。また教師の肯定的な働きかけが中学生の適応に関連することを検証した。 また現職教員と教員養成課程の大学生を対象に教師ストレングススポッティングの調査を行い,両者の特徴を比較をした。さらに大学生に対し教師ストレングススポッティングを高めることを目的とした心理教育プログラムを実施し,効果を検証するとともに,プログラムの内容について検討した。これらの成果は,学会誌や書籍において発表した。 副次的な成果として、教師と同様に子どもに関わる職業である現職の保育者を対象に調査を行い,強みと保育実践力,保育の省察との関連の検証,強みと職場環境,ワークファミリーバランス,仕事と家庭生活の質の関連の検証,メンターから受ける支援が保育者の実践力や保育の省察に与える効果についての検証を行った。これらの成果については,学会発表や論文にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の本研究の目的に対し①は終わり,②および③についても一部の調査や実践はすでに実施でき,成果の発表ができている。以上により、評価区分は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
学校現場での調査を引き続き実施していく。特に,学校現場においてストレングススポッティングを阻害する要因やストレングススポッティングがネガティブに働く場面についても調査し,多角的な検証を行う。また,ストレングススポッティングの高い教師が,子どもに対しどのような働きかけを行っているか,質的な検証を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度末に実施を予定していたオンライン調査を2024年度実施にしたためにその費用分の支出が減ったこと、および学会発表等がオンライン開催されたことにより旅費等の支出が減ったことが主な要因である。 オンライン調査を行うこと、PCや統計ソフト,介入実践を記録するための機材等を購入することに使用する予定である。
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