2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13894
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松井 紘樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50943536)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 代数多様体 / 完全導来圏 / 三角圏 / スペクトラム |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者が定義した三角圏のスペクトラムについて研究を進めた.具体的にはカリフォルニア大学バークレー校の伊藤大悟氏との共同研究で準射影多様体の完全導来圏のBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分集合となることを証明した.代表者による2023年の結果と合わせることでBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分環付き空間となることが示される.この結果の応用として,Bondal-Orlov, Ballardによる復元定理の三角圏のスペクトラムを用いた別証明を与えた.さらに類似の復元定理を準アファイン多様体に対しても証明した.こちらはFaveroによる結果を改良するものである. 滑らかな射影多様体Xの完全導来圏のスペクトラムにはXのFourier-向井対が全て埋め込まれるが,伊藤氏によりこれらが貼り合わされ,Fourier-向井軌跡と呼ばれる滑らかなスキームを定めることが示されている.本研究によりXのFourier-向井対が三角圏のスペクトラムの中に開部分環付き空間として埋め込まれることから,Fourier-向井軌跡が三角圏のスペクトラムの開部分環付き空間となることも示された. 本内容は現在論文執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究で示された準射影多様体の完全導来圏のBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分集合という重要な事実により今後の研究の大きな進展が望めるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究で三角圏のスペクトラムを用いることでBondal-Orlov, Ballard, Faveroといった既知の結果を再証明することができることが分かった.今後はFourier-向井軌跡を用いてさらなる代数多様体のスペクトラムの研究を行っていく.
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