2022 Fiscal Year Research-status Report
衛星データを用いた既存マンションの改修設計用建物データの推定に関する研究
Project/Area Number |
22K14372
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
平川 秀樹 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (00880147)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 衛星データ / 分譲マンション / 性能向上改修 / 長期修繕計画 / 外皮面積 / デジタル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
分譲マンションの外断熱改修など、性能向上改修に係わる工事は、一般的な維持・修繕工事に比べて費用がかさむケースが多い。そのため、維持・修繕に主眼を置いた長期修繕計画をもって性能向上改修を実現するには、ほとんどのケースで修繕積立金が不足する。しかし、性能向上改修を盛り込んだ長期修繕計画を有している分譲マンションはほとんど見られない状況であり、そのような状況、即ち、計画が無いことによる資金不足という状況は、性能向上改修実現に向けての課題といえる。 長期修繕計画には、工事費用算出のため、各工事部位の面積等が必要になる。それら面積等は設計図書から拾い出すことになるが、現状、分譲マンションの設計図書のほとんどは紙媒体で保管されており、デジタル化が進んだ今日の設計作業の中でそれらを活用するには、まず、CADデータ化等の図面情報のデジタルデータ化が必要となる。しかし、その作業は相当な手間を要するため、改修設計作業において、紙媒体図面等の非デジタルデータの取り扱いは課題の一つに挙げられる。 現在では、地上分解能50cm以下の人工衛星が運用されており、かつての航空写真に近い水準の衛星画像が得られるようになった。そのような精細な衛星データを用いることで、分譲マンションなどの建物の概寸を、長期修繕計画立案に活用できる程度の実用的な精度で、デジタルデータとして取得することは可能と考えられる。本研究は、衛星データを活用して既存分譲マンションの長期修繕計画立案の省力化を図ることを目的として、実際の図面と衛星データから求めた各外皮面積等の誤差について検証した。その結果、長期修繕計画の立案において、概ね実用的な精度で面積等のデータが得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外断熱改修を検討中の分譲マンションをモデルとし、その長期修繕計画の見直し作業を通じて、衛星データから建物外皮面積等を算出する作業工程が概ね確立できた状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、確立した作業工程を用いて、他の分譲マンションにおいても検討を行い、作業工程のブラッシュアップを進める予定である。
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Causes of Carryover |
新たなエリアの衛星データ購入に充当する。
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