2023 Fiscal Year Annual Research Report
DNA自己増幅ループを用いたスクリーニング不要のin vitro分子進化法の開発
Project/Area Number |
22K14794
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古林 太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (20902620)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進化工学 / タンパク質工学 / 分子進化 / 指向性進化 / 無細胞翻訳 / 人工細胞 / ダーウィン進化 / DNA複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スクリーニング不要のin vitro超高速酵素進化系のプロトタイプ構築を実現するべく研究を行った。ここで構築する進化系DARWINS(DNA Amplification Race With In-vitro Natural Selection)の実体は、無細胞翻訳系PURE systemの中で「進化ターゲット酵素の活性」を「酵素をコードした遺伝子(DNA)の自己増幅」へと変換するようなDNA自己増幅プログラムであり、この反応系を油中に分散させたw/oエマルションが超並列にDNA自己増幅競争を行うことで進化を実現する。 本研究の具体目標は、T3 RNA Polymerase(T3RNAP)を進化ターゲットのモデル酵素としてDARWINSのプロトタイプを構築し、進化による活性エンジニアリングにより概念実証を行うことであった。第一の成果として、無細胞翻訳系でのT3RNAP自己増幅ループの高効率起動、続けてエマルションの中でのDNA増幅にも成功した。しかし、進化実験(エマルション内での連続DNA増幅)の前に2つの問題に直面した。 1つ目の問題は、T3RNAPとT7RNAP(無細胞翻訳系に含まれる)の直交性が想定より低く、別々のプロモーターにより独立に発現制御できるという前提が崩れて進化が想定通り動作しないことであった。これはT3RNAPをSP6RNAP(T7RNAPと直交する)に取り替え、増幅ループをデザインし直すことで解決した。 2つ目の問題は、エマルション継代による連続DNA増幅が数ラウンドで止まることであった。これはDNA複製を実現するphi29複製系に問題があり、複製系のエンジニアリングにより解決した。RNAPの前にまずphi29 DNAPを進化ターゲットにエマルションを連続継代するパイロット進化を行い、これがうまく回ることを確かめた。 これらの知見をもとに、再びSP6RNAPを進化ターゲットとして進化実験を行うところである。
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Research Products
(3 results)