2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of tumor microenvironment in cell lineage-based subtypes of endocervical adenocarcinoma
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22K15423
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Research Institution | Local Incorporated Administrative Agency, Nagano Prefectural Hospital Organization, Nagano Children |
Principal Investigator |
浅香 志穂 地方独立行政法人長野県立病院機構 長野県立こども病院(生命科学研究センター), 生命科学研究センター, 研究員 (80724509)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子宮頸部腺癌 / HPV / 胃型 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸部腺癌の細胞系列に基づいた発癌機構とがん免疫微小環境を明らかにすることを目的として研究を進めている。 子宮頸部腺癌検体計112例に対して胃上皮マーカー(Claudin 18)、腸上皮マーカー(Cadherin 17)、ミュラー管型上皮マーカー(PAX8)の免疫組織化学染色により、各症例を胃型、腸型、胃腸混合型、ミュラー管型、非特定型の細胞系列に分類した。各細胞系列の高リスクHPV感染の関与を調査するためHPV E6/E7 mRNAを標的としたRNA in situ hybridizationを行った。その結果、高リスクHPV感染頻度の高い順からミュラー管型(88%)、非特定型(82%)、腸型(78%)、胃腸型(57%)、胃型(6%)であった。免疫組織化学染色でp16の過剰発現が認められた頻度は概ねHPV in situ hybridizationの結果と一致していたが、高リスク型HPV陰性症例でp16過剰発現が認められた症例や、逆に高リスクHPV陽性でp16の過剰発現が認められない症例もそれぞれ存在した。次に次世代シークエンサーを用いて一部の症例に関してがん関連遺伝子のターゲットシークエンスによる遺伝子変異解析を行った。検出されたがん関連遺伝子で最も頻度の高い遺伝子変異はTP53、KRAS、PIK3CA、SMAD4、STK11と続き、TP53変異率は胃型で最も高く(46%)、KRAS変異率はミュラー管型で最も高かった(30%)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者責任者の所属先の異動により、研究環境の整備に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ホルマリン固定材料を使用した次世代シークエンサーによる解析には、保存期間の短い新しい検体が必要であり、自施設検体のみでは検体数が不十分である。今後は共同研究施設から症例を集積し、対象検体を増やして遺伝子変異検索とがん微小環境の解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は研究代表者の所属先変更があり、研究環境の整備に時間を要したため、実際の実験を行う時間を捻出することができず、実験計画が遅れてしまった。次年度は実験計画にある次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析やがん微小環境解析を行うため、試薬等の購入に費用が必要である。
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