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2022 Fiscal Year Research-status Report

熱帯熱マラリア原虫の薬剤耐性化機序を宿主血管内皮との相互作用から解明する

Research Project

Project/Area Number 22K15453
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

福田 直到  順天堂大学, 医学部, 助教 (10913048)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords熱帯熱マラリア / 薬剤耐性 / 重症化 / 血管内皮 / 接着
Outline of Annual Research Achievements

熱帯熱マラリアはヒトマラリアのなかでも薬剤耐性と重症化という憂慮すべき2つの特性を持ち、国際保健上の大きな問題となっている。代表者はこれらの特性が他のヒトマラリアでは比較的まれであることに注目し、薬剤耐性の獲得と重症化に共通のメカニズムがあるという仮説のもと、本研究でそれを検証している。
現在、熱帯熱マラリアに対する第一選択薬はアルテミシニンであるが、東南アジアで最初に出現したアルテミシニン耐性は近年アフリカでも報告されている。ウガンダ共和国北部ではまさに薬剤耐性マラリアが出現・拡散する過程が観察されており、代表者は当地の症例を対象とした研究で、原虫感染赤血球が多く血管内皮に接着している症例ほどアルテミシニンへの感受性が低下していることを示した(Fukuda N, et al. Clin Infect Dis. 2022)。熱帯熱マラリアが重症化する主な原因は、このような接着によって微小循環が閉塞することであり、重症化と薬剤耐性の関連が示唆される結果であった。
この結果をin vitroでも検証すべく、血管内皮細胞と熱帯熱マラリア原虫の共培養系を用いた新たな薬剤感受性試験を構築している。本年度はその試験系を最適化することで、薬剤を添加した状態で共培養系を維持するのに必要な条件と、接着に関わる原虫のステージ(後期栄養体および分裂体)に特化した薬剤感受性測定法を確立した。また、より生体内の環境に近い灌流状態での接着性と薬剤感受性を評価するための実験系を開発した。これにより、本研究の中心的課題である「血管内皮-原虫感染赤血球の接着と薬剤感受性の関係」を観察可能なモデルを構築し、次年度以降に表現型解析と機序の探索を進める準備が整った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では今年度、熱帯熱マラリア原虫と血管内皮細胞の共培養系を用いた薬剤感受性試験を行い、両者の接着がもたらす抗マラリア薬感受性への影響を明らかにすることを計画していた。薬剤感受性試験には少なくとも72時間の培養が必要であるが、熱帯熱マラリア原虫と血管内皮細胞の共培養系を長時間維持するには困難を伴い、研究開始時に得られていたpilot studyのデータの再現性を担保できなかった。そこで最適な播種密度や培地組成を検討し直したり、安定的な接着性を示す原虫を選択することが必要となり、その作業に年度の大半を費やすことになった。その成果として静置培養系においては概ね信頼できる結果が得られている。研究の進捗としては当初の計画よりやや遅れたものの、研究手法をブラッシュアップすることで精度の高い結果を得られるようになり、研究は着実に進歩している。また本研究と密接に関連する臨床研究について、研究代表者を筆頭著者とする原著論文をpublishするなど(Fukuda N, et al. Clin Infect Dis. 2022)、研究成果を積極的に発信している。

Strategy for Future Research Activity

本研究では従来にない新たな手法を用いるため、実験系の条件検討に時間がかかり、不測の事態が起きる可能性も大きい。しかし失敗を通して着実に知見は蓄積されており、共培養系を用いた薬剤感受性試験は概ね確立しつつある。
技術的課題に対してはきめ細かな条件検討を行うことで概ね解決しており、さらに共培養に精通した海外の研究者とも関係を構築し、実験手技に関して有益な助言を得られるようになった。
次年度以降は今年度に確立した方法を用い、当初1年目に予定していた表現型解析を早急に進める予定である。また、機序解明を目的としたヘム代謝解析についても同時に進めていく。

Causes of Carryover

薬剤感受性試験の最適化に想定外の時間を要したため、当初予定していた機序解明研究に進むことができず、初年度の支出が申請より低くなった。やや進捗は遅れているものの課題は概ね克服されつつあり、支出年度がずれ込んだものの次年度以降に当初の計画と同様に支出予定である。
具体的には培養実験およびヘム代謝解析実験に用いる試薬および器具といった物品費、国内学会旅費や外部委託シークエンス費用などを予定している。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023 2022

All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] The Impact of Sequestration on Artemisinin-Induced Parasite Clearance in Plasmodium falciparum Malaria in Africa2023

    • Author(s)
      Fukuda Naoyuki、Balikagala Betty、Ueno Tsuyoshi、Anywar Denis A、Kimura Eisaku、Palacpac Nirianne Marie Q、Odongo-Aginya Emmanuel I、Ogwang Martin、Horii Toshihiro、Miida Takashi、Mita Toshihiro
    • Journal Title

      Clinical Infectious Diseases

      Volume: 76 Pages: 1585~1593

    • DOI

      10.1093/cid/ciac944

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Circulation of an Artemisinin-Resistant Malaria Lineage in a Traveler Returning from East Africa to France2022

    • Author(s)
      Coppee Romain、Bailly Justine、Sarrasin Veronique、Vianou Bertin、Zinsou Boris Enock、Mazars Edith、Georges Hugues、Hamane Samia、Lavergne Rose Anne、Dannaoui Eric、Balikagala Betty、Fukuda Naoyuki、Odongo-Aginya Emmanuel I、Mita Toshihiro、Houze Sandrine、Clain Jerome
    • Journal Title

      Clinical Infectious Diseases

      Volume: 75 Pages: 1242~1244

    • DOI

      10.1093/cid/ciac162

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Donor Screening Revisions of Fecal Microbiota Transplantation in Patients with Ulcerative Colitis2022

    • Author(s)
      Zhang Xiaochen、Ishikawa Dai、Nomura Kei、Fukuda Naoyuki、Haraikawa Mayuko、Haga Keiichi、Shibuya Tomoyoshi、Mita Toshihiro、Nagahara Akihito
    • Journal Title

      Journal of Clinical Medicine

      Volume: 11 Pages: 1055~1055

    • DOI

      10.3390/jcm11041055

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Evidence of Artemisinin-Resistant Malaria in Africa2022

    • Author(s)
      Mita Toshihiro、Fukuda Naoyuki、Balikagala Betty
    • Journal Title

      New England Journal of Medicine

      Volume: 386 Pages: 1385~1386

    • DOI

      10.1056/NEJMc2117480

    • Open Access
  • [Presentation] ウガンダにおける抗マラリア薬の有効性とex vivo感受性試験の効率化2022

    • Author(s)
      福田 直到、Betty Balikagala、的場 直輝、吉田 菜穂子、美田 敏宏
    • Organizer
      第92回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] ウガンダ北部における熱帯熱マラリア原虫アルテミシニン感受性調査2022

    • Author(s)
      池田 美恵、吉田 菜穂子、Betty Balikagala、平井 誠、福田 直到、Osbert Katuro、Dennis Anywar、Nirianne Palacpac、Emmanuel Aginya、木村英作、堀井俊宏、美田敏宏
    • Organizer
      第92回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] 尿検体中に線虫を認め、糞線虫との鑑別に苦慮した一例2022

    • Author(s)
      小菅 顕大、福田 直到、高宮 信三郎、中村 文子、浅岡 大介、船曳 和彦、美田 敏宏
    • Organizer
      第92回日本寄生虫学会大会

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Published: 2023-12-25  

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