2023 Fiscal Year Research-status Report
適切な核医学治療の確立を目指した分化型甲状腺癌における分子生物学的特徴の解明
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22K15817
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 史郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / オクトレオスキャン / NIS / FDG / 放射性ヨード |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、再発・転移を有する分化型甲状腺癌症例の患者を対象とした研究のリクルートを引き続き行った。2024年3月の時点で計9例でのデータを取得した。しかし、転移・再発を有する患者の紹介が少なく、また研究の参加に同意いただけない症例もいたことから、基準を満たす患者が予想よりも少なく、研究計画よりも遅延している。 2023年10月に途中の研究結果を初期検討として、第94回日本核医学会北日本地方会で「再発・転移を有する分化型甲状腺癌におけるソマトスタチンレセプター発現に関する初期検討」を発表した。本発表では、甲状腺癌におけるソマトスタチンレセプター発現を示す症例は6例中1例、全症例の測定可能な8病変では2病変のみ陽性だった。FDGやI-131との関係は葬礼数が少ないため明らかな相関関係は認めなかった。本発表は同会の優秀演題賞を受賞した。 また、本研究の対象患者募集と並行し、北海道大学病院核医学診療科で、過去に分化型甲状腺癌に対するI-131内用療法を実施した患者の情報を収集し、こちらは後ろ向き研究として、2013年から2017年までの症例についてデータベースを作成した。再発・転移を有する分化型甲状腺癌患者でのI-131集積の有無を予測する因子の抽出について、解析を行う予定である。さらに画像データから人工知能(AI)を用いてI-131集積の有無を予測するモデルを作成する予定である。これらの後ろ向き研究は、本研究における適切な核医学治療の確立に必要な情報となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の対象となる症例が予想よりも少なく、症例収集において遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、引き続き前向き研究における患者募集を継続し、これらデータの解析を行う。また後ろ向き研究に関しても引き続きデータベースの増加を行い、学会発表に合わせてデータの解析を行い、これらの結果をまとめる。再発・転移を有する分化型甲状腺癌における、分子生物学的特徴を明らかにし、学会や論文での発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
目標としている症例数が不足しており、引き続き追加で研究の対象となる患者のリクルートを行う必要が生じ、その患者たちの研究で行う検査にかかる費用、およびそのデータ保存を行う媒体の購入が必要となる。
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