2023 Fiscal Year Annual Research Report
左側及び右側大腸癌の分子生物学的差異の解析 ー個別化及び層別化治療に向けてー
Project/Area Number |
22K15997
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
影本 開三 徳島大学, 病院, 特任助教 (60933356)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、左右大腸癌の分子生物学的差異の解明を目的としている。左右大腸癌オルガノイドの細胞増殖能、浸潤能を解析する。次いでオルガノイドより遺伝子発現解析を行い、左右大腸癌のシグナル伝達を含む分子生物学的な違いを統合的に解析することを目的としている。これまでに左側及び右側大腸癌 (RAS(-), RAF(-), p53(+))よりオルガノイドを計8病変のオルガノイドを作成し、細胞増殖能、浸潤能についての解析をしたところ、右側大腸癌オルガノイドは左側と比較して細胞増殖活性および細胞浸潤能が有意に高いことが示された。また、RNAを抽出しcDNA作成した後、シークエンスを行い、右側大腸癌オルガノイドで左側よりmRNAが高発現であった遺伝子を抽出し解析したところ、TIMP1, DHH, MSN, S100P, SDC2が有意に高い発現をしていた。次いで左右大腸癌オルガノイドで遺伝子解析をしたところTIMP1がもっとも高い発現を認めた。さらに、TIMP1のタンパク質発現をWestern blot法にて確認したところ、左側大腸癌においてTIMP1蛋白はほとんど検出できなかったのに対して、大腸癌ではいずれの症例においても高発現が確認された。TIMP1はFAK/Akt pathwayやMAPK pathwayを介して細胞増殖やアポトーシス,分化,血管新生だけでなく,腫瘍形成にも関与することが報告されており、右側大腸癌の増殖、浸潤ひいては予後への関与が示唆された。今後はTIMP1と右側大腸癌の関連を確認するため、TIMP1の細胞増殖や浸潤におよぼす影響を解析する予定である。
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