2022 Fiscal Year Research-status Report
多種肺線維症マウスモデル間のシングルセル解析データ比較による炎症細胞機能の解析
Project/Area Number |
22K16195
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小山 壱也 徳島大学, 病院, 助教 (90724089)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺線維症 / 炎症細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺線維症において炎症細胞が肺組織の線維化に関わることが報告されているが、肺線維症の背景疾患には多彩な病態を持つ疾患が含まれており 、その組織線維化の進行の仕方や治療薬への反応性は様々であり、それらに対する炎症細胞の関わり方については十分に解明されていない。ど のように炎症細胞の肺組織線維化の可逆性や進行性への関与を解明することは肺線維症の治療開発に対して有意義であると考えられる。 本研究の目的は様々なマウスモデルでの肺線維化を炎症細胞の関与という視点から探究することである。特にシリカ誘発性肺線維症モデルとブレオマイシン(BLM)誘発性肺線維症モデルにおけるシングルセル解析のデータを元に1) 肺線維化促進に関わる共通の炎症細胞を同定し機能を解析するとともに、2) 肺線維化の改善に関わる炎症細胞を解明し治療標的を明らかにする。 シリカ誘発性肺線維症マウスモデルでは非可逆的な肺線維化を呈し、BLM誘発性肺線維症モデルでの肺線維化は可逆的であることが知られている。そのためそれぞれの肺線維化の時間経過で炎症細胞を評価することは線維化を促進もしくは抑制する炎症細胞の同定及び追跡に有用であると考えられた。本研究の以前にシリカ誘発性肺線維症モデルにおける時系列的評価のための炎症細胞プロファイルのscRNA-seqは実施しており、BLMモデルにおける炎症細胞のscRNA-seqを経時的に追加実施し、シリカモデルのデータと比較検討したところ、シリカモデルにおいては病理学的に肉芽腫性炎症が目立つのに対してsc-RNA-seqでは炎症細胞プロファイルにBLMモデルと大きな違いは見られなかった。今後、炎症細胞の空間的解析や他に公表されているデータも含めた解析を行い炎症細胞の線維化における役割を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ブレオマイシンモデルにおけるscRNA-seqを行ったところシリカモデルでの炎症細胞の推移と大きな変化がないことが明らかになった。病理学的には両者の違いはかなりみられるため、おそらく両者のモデルにおける炎症細胞には相違が見られるものと考えられるが現在行っている検討方法では相違を明瞭に示せない可能性がある。このことから研究方法の検討が必要となった。 上記から研究の進行に遅滞が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者の海外留学が2023年5月に決まったため、国内での研究継続を中断することとなった。令和4年度で得られたscRNA-seqデータ解析においてはBLMモデル及びシリカモデルでは両者の炎症細胞の内容に大きな相違が見られなかったことが当初の予想に反していた。そのため、まずは現在得られているデータから炎症細胞プロファイルを整理し、炎症細胞サブクラスターの同定とその組織学的分布について検討し、その相違から機能への影響を検討する。 また、申請者とは異なる方法でscRNA-seqを行い公開されたデータもあるので、それと今回得られたデータで比較検討を行う。
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Research Products
(1 results)