2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規敗血症モデルと免疫学的先端技術を用いた敗血症免疫反応の解明
Project/Area Number |
22K16635
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土田 拓見 北海道大学, 大学病院, 医員 (50838654)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / モデルマウス / サイトカイン / PICS / 凝固線溶障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症モデルとして一般的に用いられているCLP(cecal ligation and puncture)モデルと、今回我々が確立させた作製が容易な敗血症マウスであるFSI(fecal suspension intraperitoneal injection)モデルにおいて、27種類ものサイトカインとケモカインを同時に測定し、免疫学的、病理組織学的特徴を明らかにすることを目的する実験を行った。さらに、重症疾患後に生じる疾患概念であるImmuno-suppression and Catabolism Syndrome (PICS)モデルをFSIモデルから作成し、その妥当性もサイトカイン/ケモカイン測定および病理組織学的観察によって評価した。 FSIモデルはCLPモデルと同様の免疫学的、病理組織学的特徴を有し、FSIモデルの敗血症モデルとしての妥当性が示された(T.Tsuchida, et al. Front Med. 2022)。FSIモデルに関する研究結果は既に多くの論文に引用されている。CLPモデルとFSIモデルから作成したPICSモデルにおいても、両者に同様のサイトカイン/ケモカインの挙動と組織への炎症細胞浸潤が認められた。これは、PICSモデルに対してリポポリサッカライドを二次的侵襲として投与した後にも同様の特徴、すなわち全てのサイトカイン/ケモカインがコントロール群に比べて抑制される現象が認められた。PICSモデルに関する免疫学的、病理組織学的特徴を明らかにした論文は現在投稿準備中の状態である。 本研究により、質の高い敗血症モデル、およびそれを応用したPICSモデルが確立された。本研究により生み出されたモデルマウスやサイトカイン測定結果をベースとして、今後様々な応用研究が行われることが期待される。
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