2023 Fiscal Year Research-status Report
唇顎口蓋裂患児に対するPNAMの有用性の検討および有効な治療プロトコールの考案
Project/Area Number |
22K17203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 愉莉 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80913235)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / PNAM治療 / 口唇形成術 / 顔面歯槽デジタルデータ統合モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)片側性完全唇顎口蓋裂患者に対する3Dシミュレーションシステムを用いたP-NAM治療の有用性の検討 片側性完全唇顎口蓋裂症例を対象に、初診時およびP-NAM治療終了後(生後4-5か月)の三次元顔貌写真(VECTRA HI)と、口腔内スキャナ(Medit i700)によって得られたデータを用いて、バーチャルプランニングソフト(PROPLAN CMF)により顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを作成した。それらを三次元画像解析ソフト(HBM-Rugle)にて計測し、P-NAM治療の有用性の検討を行った。本研究により、3Dシミュレーションシステムを用いたP-NAM治療は歯槽突起の垂直的偏位および口裂の偏位を改善する可能性が示唆された。この結果を第47回日本口蓋裂学会総会・学術集会で「顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを用いた片側性唇顎口蓋裂児のPNAM治療による歯槽・口裂形態変化の検討」、第68回日本口腔外科学会総会・学術大会で「Presurgical orthognathic treatment of cleft lip and palate using a 3D simulation system」として発表した。 2)片側性完全唇顎口蓋裂患者の歯槽形態についての検討 片側性不完全唇裂症例および片側性完全唇顎口蓋裂症例を対象に初診時の顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを作成し、それらをHBM-Rugleにて計測し、術前顎矯正治療介入前の顔面頭蓋に対する歯槽の三次元的位置関係の分析を行った。本研究により、片側性完全唇顎口蓋裂症例では、裂側の歯槽突起が健側と比較して頭側、外方、背側に偏在していることが明らかとなった。この結果を2024年5月に行われる第48回日本口蓋裂学会総会・学術集会で「顔面・歯槽デジタルデータ統合モデルを用いた片側性唇顎口蓋裂患者の歯槽形態の分析」として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年に引き続き研究を行っているので、症例の増加に伴い、口腔内スキャナ(Medit i700)を用いたデータ採取の精度の向上していることや、バーチャルプランニングソフト(PROPLAN CMF)を用いたモデルサージェリーをスムーズに系統立てて行うことができるようになってきてきたことなど我々の技術が向上していることが良い結果に繋がっているのではないかと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も対象患者を増やし、より正確なデータを得られるように研究を進める予定である。 また、両側性完全唇顎口蓋裂患者の歯槽形態についても分析し、両性完全唇顎口蓋裂患者に対する3Dシミュレーションシステムを用いたP-NAM治療の有用性の検討を行う予定である。
鼻孔レティナ(片側性鼻孔プロテーゼ)による大鼻翼軟骨の矯正効果に対する検討も症例を増やして進めていく予定としている。
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Causes of Carryover |
口蓋裂学会、口腔外科学会への参加、発表は行ったが国際学会での学会発表を行うことができなかったため、予定していた旅費が不要であった。また、年度内に論文の投稿を予定していたが現在未だ作成中であるため、論文投稿費用が繰り越しとなった。
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