2023 Fiscal Year Research-status Report
Extraction of brain oscillation producing motivation and construction of a brain network arousing motivation.
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22K18650
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大澤 匡弘 帝京大学, 薬学部, 教授 (80369173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 雄一 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (70588384)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 周期的脳活動 / Local Field Potential / アンヘドニア / 神経回路特異的脳活動制御 / カルシウムイメージング / やる気の源 / オシレーション / 大規模脳活動記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
反復社会的敗北ストレスを経験したマウス(cSDS)では、雌雄選択試験において、異性に対する接触時間が、対照群マウスと比較して短くなっており、アンヘドニア(無快楽状態)となったと言える。そこで、このcSDSマウスにおける複数の脳領域における活動を自由行動下にて同時に記録するため、ラットで行われている広範囲多点脳活動同時記録を応用し、マウスで実施し、昨年度までに、腹側被蓋野(VTA)、海馬、帯状回皮質における脳活動を同時に計測することに成功したが、今年度では、島皮質、一次体性感覚野、二次体性感覚野での記録についても成功することができた。一方で、この脳活動計測を長期で行うために、計測条件を検討したが、1ヶ月までの長期計測は達成には到達できなかった。次に、GRINレンズを海馬へ埋植した後に、Miniscopeを用いて蛍光イメージングを行った結果、神経細胞(海馬)の活動を、自由行動下の動物から記録できた。アデノ随伴ウィルスベクター(AAV)を用いて、GCaMP6sを神経細胞へ発現させたところ、GRINレンズを用いたMiniscopeによる蛍光イメージングを実施することができ、神経活動を記録することができた。人工化合物により活性化されるデザイナー受容体を、特定の神経回路のみに発現させることを順行性AAVならびに逆行性AAVを用いて達成した。一方で、研究代表者が異動のため、研究を実施するための倫理審査に時間がかかってしまったため、今年度での研究はほとんど進めることができなかったものの、新しい実験環境での測定条件の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の所属が変わり、動物実験を実施するための実験プロトコルの審査の期間が非常に長く(約10ヶ月程度)、実験実施をすることが、年度の終わりになってしまったため、本研究の進捗は大幅に遅れてしまっている。今年度で終了予定の研究ではあったものの、申請者の対処できる問題ではなかったことから、研究の終了時期を1年間先に伸ばすことで、本研究の目的を実施できるように対応をした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、前年度の推進方針と同様に、一番の懸念である広範囲多点脳活動同時計測を、現在の3脳領域から10脳領域まで増やし、cSDS負荷をされている最中も、頭部に埋植した電極類を破損しないような対策を行う必要がある。これが達成されれば、広範囲にわたる複数の脳活動を同時に計測することができ、各脳領域の局所電場電位(LFP)の周期的位相の変化や因果関係について機械学習を行うことができる。また、周期的脳活動が著しく変化している領域を同定することができるため、GRINレンズとMiniscpoeを用いたイメージングにタングステン電極を用いたマルチモード神経活動計測を行うことができる。さらに、アンヘドニアの際に周期的脳活動が変化している領域において、機能が変化している神経細胞を同定することができれば、デザイナー受容体を用いて人為的に細胞機能を興奮や抑制することで、原因となる神経細胞の種類も同定することができる。
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Causes of Carryover |
今年度の研究が全く進まず、次年度まで研究計画を延長したため、物品費や研究発表のための旅費などに使用するため。
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