• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

脳のリズムで生き生きとした時間を呼び起こす

Research Project

Project/Area Number 22K18662
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

木津川 尚史  立命館大学, 生命科学部, 教授 (10311193)

Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywordsリズム / step-wheel
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、リズムを利用して運動の改善を目指すものである。リズミカルに走行するマウスの線条体からリズム関連パラメタをコードする神経細胞が見出されたことを基盤としている。昨年度までの実験結果としては、線条体神経細胞の活動の解析から新しい知見が見いだされてきた一方、光刺激実験においては結果の振れが大きく必ずしも想定された結果ではなかった。このことは、線条体による運動制御メカニズムが想定よりも複雑であることを示しており、運動改善のための効率的な刺激方法を見出すためには、記録された線条体神経活動をもとに、より明確なモデルをたてることが必要と考えられた。そこで、大脳皮質‐大脳基底核の神経回路について、これまでの知見を再現するようなモデルの作成を複数行った。作成しているモデルの一つは、観察されたリズミカルな神経活動がいかにして形成されるかについてのモデルである。リザバー型人工ニューラルネットワークを利用して、運動周期に匹敵する周期を生み出す大脳基底核型ネットワークを作成することに成功した。神経細胞の活動周期(数ミリ~数十ミリ秒)に比べて、運動周期(数百ミリ~秒)は桁違いに長いので、これまで知られている人工ニューラルネットワークでは、数百ミリ秒以上の長い周期性を生み出すことは困難であった。これにたいし、我々が作成した新しいネットワークでは、長い周期を生成することが可能であった。この長い周期を生み出すメカニズムを解明することにより、線条体が運動周期、位相を生み出すメカニズムを明らかにして、効率よく運動を遂行する機構の解明を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

神経活動の記録に関しては、新たな解析により、クロック様のリズムを利用したチャンクをコードしている可能性が見いだされ、新しい発展に至った。光遺伝学を用いた実験では、想定されたような結果は得られていないが、この点を踏まえた上で、さらに内外の知見を加えて、新規の大脳基底核モデルの作成が進んでおり、これまでの人工ニューラルネットワークでは見られなかった長い周期の創出に成功した。このネットワークの活動を解析することにより、効果的にリズムを生み出す条件を設定する。また、このモデルにより、時間制御における大脳基底核の新しい動作メカニズムが提唱できる可能性がある。

Strategy for Future Research Activity

リズミカルに走行するマウス線条体から記録した神経細胞活動をもとにして作成した大脳皮質‐大脳基底核モデルの解析を進める。このモデルでは、運動リズムに近い周期でも活動させることが可能であるので、そのためのパラメタを特定する。特に、大脳皮質と線条体の活動の関係性について解析する。また逆に、長い周期で活動している際に、この周期を破壊するような外乱を与え、神経活動がどのように変遷するのかを解析する。これにより、大脳皮質‐大脳基底核がどのように運動リズムを創出するのか、また、それがいかにして失われるのかを明らかにする。

Causes of Carryover

海外の共同研究者を呼んで共同実験や討論を行う予定であったが、相手方の諸都合で延期になったため。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Massachusetts Institute of Technology(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      Massachusetts Institute of Technology
  • [Journal Article] Emergence of rhythmic chunking in complex stepping of mice2023

    • Author(s)
      Hirokane K, Nakamura T, Kubota Y, Hu D, Yagi T, Graybiel AM, Kitsukawa T
    • Journal Title

      iScience

      Volume: 26(5) Pages: -

    • DOI

      10.1016/j.isci.2023.106765

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 脳皮質-大脳基底核回路を用いた予測符号化モデル2024

    • Author(s)
      上野凌平、吉田晴、竹原諒、木津川尚史
    • Organizer
      1回関西生物物理学研究会
  • [Presentation] 大脳皮質-大脳基底核回路を模したタイリング型ネットワークによる強化学習モデル2023

    • Author(s)
      北哲次、尾ノ井駿也、竹原諒、広兼浩二朗、木津川尚史
    • Organizer
      第37回人工知能学会
  • [Presentation] 大脳皮質-大脳基底核回路カラムの水平接続ネットワークによる強化学習モデル2023

    • Author(s)
      竹原諒、北哲次、尾ノ井駿也、広兼浩二朗、木津川尚史
    • Organizer
      3回 日本神経回路学会
  • [Presentation] リズムによる運動チャンク形成と線条体神経細胞によるリズムパラメタの表現2023

    • Author(s)
      木津川尚史
    • Organizer
      生理研研究会「第5回 力学系の視点からの脳・神経回路の理解」
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi