2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K18690
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下澤 雅明 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40736162)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 走査型熱顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
バルク試料を用いた熱伝導率/熱ホール測定は試料全体を測定するため、不純物や欠陥などの外因的要因の影響を強く受けてしまう。このような問題を解決するためには、局所熱測定システムを開発することが必要不可欠であるが、従来の小型温度センサーは熱電対を用いるのが一般的であり、その温度感度は10 mK程度しかなかった。一方、本研究で着目する小型温度センサーは、NbTiを含む超伝導接合を利用するため、その温度感度は100 nK程度になると考えられる。しかも、この温度計の場合、測定ラインにもNbTi線を利用することになるので、十分低温であれば配線から熱が逃げてしまう問題もほぼ排除することができる。超伝導接合を用いた小型温度計は、ワイツマン科学研究所のZeldovグループで開発されてはいるものの、彼らはPbやAlの超伝導接合を利用しているため、~1 T以上の高磁場での測定は不可能であった。一方、本研究の温度センサーは材料にNbTiを用いているため、原理上は~8 Tの高磁場においても利用できる。 本年度は、上記の高磁場中で動作する超高感度の小型温度計の作製に取り組んだ。現状、ゼロ磁場中での測定しかないものの、作製したNbTiを含む超伝導接合の臨界電流の大きさが、温度に対して一意に変化することが分かった。臨界電流の大きさの読み取り精度はおよそ数 fA~数10 fAであり、温度感度は~10 nA/K程度であるので、温度精度は0.1 μK~1 μK程度になると考えられる。今後は、磁場中での温度計特性を評価すると共に、この臨界電流の温度変化を利用して、超精密に局所温度を評価することに取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記(研究実績の概要)で報告した通り、局所熱測定に利用する超精密小型温度計の作製にはほぼ成功しており、予定通りである。ただ、磁場中での温度計の特性は評価できていない点を考慮すると、研究の進捗はわずかに遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、作製した小型温度センサーを走査型システムおよびキャパシタンスカンチレバーに組み込むことで、超高感度の走査型熱顕微鏡を完成させる。もし試料の歪みを防ぐために温度センサーを接触させたくない場合には、キャパシタンスカンチレバーの代わりに、AFMで用いられている非接触カンチレバーを用いる予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はセンサー部分の作製が遅れたため、システム全体を構成するための費用は次年度に繰り越した。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 新規トロイダル金属HoAgGeの非線形横伝導率測定2022
Author(s)
宮本大輝, 高尾祥平, 多田勝哉, 小路山竜平, 細井優, 下澤雅明, 井澤公一, 八城美愛, 速水賢, 大貫惇睦, 青木大
Organizer
日本物理学会 秋季大会
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