2022 Fiscal Year Research-status Report
Demonstration of X (Gamma) ray Fourier imaging without refraction, diffraction and interference
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22K18714
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志村 考功 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90252600)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | X線 / ガンマ線 / イメージング / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では屈折・回折・干渉を用いないX線(Γ線)フーリエイメージング法の実証を目的とする。通常のイメージングでは屈折・回折・干渉などの光の基本的性質が利用される。しかし、10keVを越えMeVクラスのX線(Γ線)ではこれらの基本的性質を利用することが困難なため、感度の良いイメージング技術がない。この領域のイメージング技術としてコンプトンカメラが用いられているが、一般には装置が重く、携行に不便、感度が低く、撮影に時間がかかる、非常に高額などの課題がある。本研究では同心円状のフィルタを2次元検出器の前方に配置する光学系を用いる。この光学系を用いると点光源からの画像は2次元平面波の画像に変換でき、フーリエ変換により周波数空間上の1点に対応させることができる。異なる光源による平面波画像はお互いに直交関係にあり、どんなに重なっていても、また信号強度が弱くてもフーリエ変換により分離でき、光源分布を再構成することができる。本手法は屈折・回折・干渉などの性質を利用しないため、X(Γ)線イメージングに展開でき、その方向性を大きく変革・進展させる可能性を有しており、飛躍的に発展する潜在性を有する技術である。 2022年度は高エネルギー対応のフレネルゾーン開口の作製と放射光X線を用いた散乱X線イメージングの有効性の検証を行った。厚さ2mm厚のタングステン板に位相の異なる4種類のフレネルゾーン開口を作製することができた。また、散乱X線イメージングを用いることによりComputer Tomographyにはない利点を有する3次元計測手法が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
購入予定していた検出器の納期が8ケ月以上になり、当初の計画を修正したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題では屈折・回折・干渉を用いないエックス(ガンマ)線フーリエイメージング法の実証を目的としている。当初計画では、100 keVを超える高エネルギーX線を用いた実証を実施項目のひとつとして予定していたが、予定していた検出器の納期が8ケ月以上となることから、60 keV程度のエネルギーのX線を用いた測定に変更する。対応する検出器の購入を迅速に進め、本イメージング法の実証を進める。
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Causes of Carryover |
100 keVを超えるX線を用いたイメージングを実施項目のひとつとして計画していたが、購入予定だった検出器の納期が8か月以上となることが判明した。当初予定していた検出器以外に該当する検出器を探したが、価格と仕様を満足するものがなかったため、検出器の購入予定の予算を次年度に繰り越すことになった。次年度は60 keV程度のX線でのイメージングに計画を変更し、繰り越した予算で該当する検出器を購入する。
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