2022 Fiscal Year Research-status Report
How fine can crystal lattice spacing be interpolated? Development of crystal lattice scale with sub-picometer accuracy.
Project/Area Number |
22K18806
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (10231854)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ピコメートル / 格子間隔 / 補間 / 走査型トンネル顕微鏡 / グラファイト結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
次の開発を行った。 (1)走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い、グラファイト結晶表面の2次元格子ベクトルを基準とする2次元変位測定法の開発を行った。これはグラファイトの格子間隔以下の変位を補間する手法である。走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針に適切な振幅(例えば格子間隔の半分)を持つ横方向ディザ円運動と直線運動を加えたときに1周期内のディザ円運動上の任意の6点のトンネル電流情報の組から直線運動の変位(変位の向きと大きさ)を補間算出する手法を見出した。さらにこの6点の組をディザ1周期内で多数利用可能で、この多数組の変位情報の平均化で信号雑音比を向上でき、おおよそ格子間隔の1/100以下の補間(約2pm)が可能なことを理論的に解明した。多数組の組数はディザの周期、STMの電流電圧変換回路の帯域、STMのデータサンプリング間隔に依存するが、現状のSTMで5kHzのディザ周波数で100組は取得可能である。 (2)上の(1)の手法を実験的に証明するために、干渉計を組込んだSTMを開発中である。干渉計は(1)の手法で求めた2次元変位を比較するため、あるいは干渉計自体の非線形不確かさを測定するために設置する。干渉計はヘテロダイン方式とし4倍光路差のものを設計製作した。STM自体は外乱振動や熱変形を防ぐために低熱膨張材で構成した。特に干渉計の測定方向の変位およびSTMの試料の走査を精度良く生み出すために高剛性の平行バネ案内を持つ圧電素子ステージをSTMに組み込んだ。高速論理回路FPGAにより、STMの探針試料間のフィードバック制御、上の(1)のための演算処理を行うソフトウェアを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補間法の理論的解明はほぼ終了した。STM装置と干渉計の試作もほぼ終了した。FPGAのプログラミングもほぼ終了した。あとは実際に実験を行い装置の修正にフィードバックし、補間法を証明したい。
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Strategy for Future Research Activity |
実験を行いながらSTM装置・干渉計・FPGAソフトウェアの修正改良を行う。最終的には格子間隔の補間がどこまで可能かどうかを見極めたい。
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Causes of Carryover |
STM装置の改良のため精密機械部品を発注したため
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