2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular flow compression intake using microstructured surface applicable to air breathing ion engine
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22K18859
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 久美子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (20252794)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | VLEO / 原子状酸素 / 超低軌道宇宙環境 / イオンエンジン / 大気圧縮 / インテーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は超低軌道用電気推進システムとして理想的な大気吸入イオンエンジン(ABIE)実現のキーテクノロジーである高圧縮インテークを世界で初めて実現しようとするものである。ABIEにおいて要求される高圧縮インテークは、分子流領域で分子の逆流を防ぐことが要求されており、通常の流体力学では解決が不可能な命題である。分子流領域では分子/固体表面間の散乱過程を制御することが唯一の方法となる。そこで、固体表面原子の種類、平滑度(表面粗さ・うねり)、表面構造、等ポテンシャル面形状を最適設計することにより非等方的な散乱特性を実現するアイデアを理論的・実験的に検証する。 研究2年目であるFY2023年度には、前年度に引き続き、実験的アプローチとして微細加工で試作したサンプル表面での散乱分布特性を分子線散乱実験装置を用いた実測と、計算的なアプローチとして実験的に計測した散乱特性を組み込んだDSMC計算コードの構築と計算を実施した。その結果、ピッチを0.1mmに拡大した微細加工表面でも圧縮性能を期待できる異方性散乱特性が発現することが明らかになり、大幅に製作コストを低減できることが明らかになった。さらに2024年度 2Qに観測ロケットS-310 46号機での圧縮インテーク評価実証機会を確保できたことから、この機会を利用して観測ロケットの大気密度計測装置に高圧縮インテークを実装し、その宇宙実証と地上試験結果との整合性を確認するためのシステム設計と開発を行った。現在、フライト品の制作と評価を行っている。この宇宙実証機会を利用して、超低軌道での理想的な推進器とされる大気吸入電気推進システム実現のキーテクノロジーとされる高圧縮インテークについて、表面科学の知見に立脚した設計・地上評価技術の開発から宇宙実証まで含めた総合的な研究開発を可能にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ABIEにおいて要求される高圧縮インテークは、分子流領域で分子の逆流を防ぐことが要求されており、通常の流体力学では解決が不可能な命題である。分子流領域では分子/固体表面間の散乱過程を制御することが唯一の方法となる。そこで、固体表面原子の種類、平滑度(表面粗さ・うねり)、表面構造、等ポテンシャル面形状を最適設計することにより非等方的な散乱特性を実現するアイデアを理論的・実験的に検証することを第1目標とし、応用を見据えた大面積化を実現する方法についても検討を行った。FY2023年度では、ダイヤモンド加工によって表面微細構造を形成したアルミニウム表面での熱速度での原子散乱を実測するとともに、ABIEインテークに応用するための大面積化に対応できる転写法の開発を行った。その結果、転写法で形成した表面でもダイヤモンド加工表面と同様の散乱分布を実現することに成功し、異方性散乱表面のABIEインテークへの適用(大面積化)が現実的になった。さらにABIE後端に装備される反射板の設計を最適化するために、3Dプリンティングで形成した微細構造表面の散乱分布を測定した結果、入射角によらず法線方向への散乱強度が大きい構造であることが確認され、インテーク逆流を抑制できる可能性が示された。ABIE用高圧縮インテークの軌道上評価として、観測ロケットS310-46号機に圧縮インテークを搭載し、フライト中のインテークの圧縮効果を測定できるシステム開発を実施し、艤装設計、振動試験、衝撃試験、風洞試験をほぼ終了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FY2024年度以降には、各々のサブテーマごとに直面する課題にアプローチする。 まず実験的には、分子散乱に方向性を有するダイオード的な振る舞いをする表面を実現したのに続き、固体表面原子の種類、表面構造等を最適設計する。また3Dプリンティングで製作した反射面の実装方法などを散乱実験とDSMC計算で評価する予定である。さらにレーザー装置が復帰したのちにのは衛星軌道と同じ相対速度を持つ超熱速度ビームでの実験も実施する予定である。一方、計算的なアプローチとしては、FY2022に達成したCLLモデルを適用したDSMCコードと、従来のマクスウェル反射モデルを比較するとともに、地上風洞による実験的評価を行う予定である。FY2024年度2Qに実施予定の観測ロケットS-310-46号機での圧縮インテークフライト実証実験については、JAXA観測ロケットチームと協力して、今後の電気的かみ合わせ試験、打ち上げに向けて計画を確実に進めて行く。
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Causes of Carryover |
FY2023年度予算がFY2024年度以降に繰り越された主な要因は2つあり、1つは炭酸ガスレーザー装置の故障、もう1つはS-310-46号機艤装設計の遅延である。前者については海外の技術者を招聘してのメンテナンスを2024年5月に実施したが、11月にはレーザーモジュールの故障が発生した。2024年4月現在でも故障対応中である。そのため超熱エネルギービームを用いた圧縮実験がFY2024年度以降に延期された。後者については、現在JAXA観測ロケットチームの協力もあり、FY2022年度末に問題であった艤装設計は完了し、コンポーネント部品の製作・組立、振動試験、衝撃試験、風洞試験を実施中である。振動試験によりフライト用センサーの予備が必要となったが、納期がFY2024年度にずれ込んだこと、FY2023年度中に予定されていた電気的かみ合わせ試験がFY2024年5月に延期されたことから、フライト品製作費用等の繰り延べが発生した。なお搭載装置の微細加工方法等については確立しており、問題なく計画を進捗できると思われる。
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[Presentation] Real-time Observation of Polyimide Erosion in Very Low Earth Orbit (VLEO) and Its Impact on Space Environmental Effect on Materials2023
Author(s)
Masahito Tagawa, Kumiko Yokota, Atsushi Fujita, Wataru Ide, Towa Ushijima, Koki Yao, Sasuga Horimoto, Santa Nishioka, Kaichi Nakayama, Yuta Tsuchiya, Aki Goto, Kazuki Yukumatsu, Eiji Miyazaki, Yugo Kimoto
Organizer
2023 MRS Spring Meeting & Exhibit
Int'l Joint Research / Invited
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