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2022 Fiscal Year Research-status Report

Creation of Titanium Based High-Temperature Shape Memory Alloys Reinforced by NaCl-Type Carbides

Research Project

Project/Area Number 22K18907
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

西田 稔  九州大学, 総合理工学研究院, 特任教授 (90183540)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 赤嶺 大志  九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (40804737)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywords高温形状記憶合金 / 分散強化 / 非金属介在物 / 熱的安定性 / 経時劣化
Outline of Annual Research Achievements

高温形状記憶合金(以下,HT-SMA)とは,汎用のTi-Ni合金の作動温度の上限が100℃程度であることから,100℃以上で作動する合金と定義され,例えばジェットエンジン等の高温機器内のガス流量制御用には500℃以上の温度で安定した特性を発現することが求められている.高温で完全な形状記憶効果を得るためには,すべり変形を抑制する材料強化が必須であるが,金属材料の一般的な強化機構である加工強化,結晶粒微細化(粒界)強化、析出強化は温度上昇に伴って低減する.従って高温形状記憶合金の実用化には使用環境下において経時劣化を起こさない熱的に安定な強化法の開発が不可欠である.本研究では,HT-SMAの基本系である第4族元素と第10族元素から成る等原子比近傍の合金に適量の炭素:Cを添加して生成するB2マトリックスと整合性の高い非金属介在物であるTiC,HfC等のNaCl型炭化物を分散強化相として利用し,高温環境下で安定した特性を示すHT-SMAの創製を目指す.
まず,開発合金としてTi-Ni-Hf-C,Ti-Ni-Pd-C, Ti-Pd-C合金の3種を選定した.しかし,Hf,Pd,特にPdの価格が著しく高騰したため,これら合金中でのTiCの晶出・分散形態,熱的安定性,立方晶(B2構造)TiNiマトリックス相との結晶方位関係等の基礎的知見を得る目的で,本研究の発想の原点であるTi-Ni-C合金に立ち戻って種々の組成の試料を溶製し,溶製材および熱処理材の組織を各種顕微鏡法によって観察した.さらにTiCの微細分散を図るために高圧ねじり加工(HPT: High Pressure Torsion)を施した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Ti, Ni, TiC粉末を素材として種々の組成のTi-Ni-C合金を溶製した.溶製材においては炭素と原材料に含まれるもしくは溶解時に不可避的に導入される酸素との重量(C/O)比が高い試料ではデンドライト状のTiCのみが生成していた.デンドライト状のTiCの形成はTiC粉末が一旦溶解し共晶反応によって晶出したことを示すものである.C/O比が低い場合,酸化物の混在が確認された.例えばTi-51at.% Ni合金ではC/O = 0.8 以上でTiCのみとなった.次に市販のTi-Ni合金の標準的な熱間加工温度である900℃で1~100時間の熱処理を施しTiCの安定性を調査した.Ti-51 at.% Ni合金ではC/O = 1.5 以上で100時間の加熱を行ってもTiCは安定であった.一方,C/O比が1.5未満の試料ではTiCとTiNiの界面に酸化物が生成したCore/Shell構造へと変化し,長時間の熱処理によって酸化物層に遷移した.TiCの安定性はマトリックスのNi/Ti比によっても変化しTi量が増えるほどTiCが安定なC/O比は上昇した.透過電子顕微鏡観察の結果,TiNiとTiCには以下の整合性の高い方位関係が確認された.
(100)TiC // (001)TiNi, [001]TiC // [110]TiNi
この方位関係は900℃-100時間の熱処理後も維持されており,結晶学的にも熱的安定性が担保されることが分かった.
圧力5 GPa,ねじり回転速度0.2 rpmで5回転および10回転のHPT加工を行った試料はX線回折の結果,両者ともほぼ非晶質化していることが判明した.

Strategy for Future Research Activity

Ti-Ni-C系で得られた知見を基にTi-Ni-Hf-C, Ti-Ni-Pd-CおよびTi-Pd-C系の組成を決定しインゴットを溶製する.溶製材と熱処理材の熱分析による変態点測定,各種顕微鏡法による組織観察を行い,変態温度に及ぼすTiCの影響,TiCの安定性,マトリックスとの方位関係を調べる.
Ti-Ni-C系については引き続きTiCの安定化の機構を明らかにするとともに,Core/Shell構造の組織解析,酸化物への遷移過程を調査する.
HPT材についてはFe-C系においてセメンタイト(Fe3C)がHPT加工によってα-Fe中に固溶することが報告されていることから,Ti-Ni-C合金HPT材について詳細なTEM観察を実施する.TiCの溶解が確認されれば,熱処理よってTiNiマトリックスの結晶化とTiCの生成が起こり上述の方位関係を有するTiCの微細分散が期待できる.さらに,Ti-Ni-Hf-C, Ti-Ni-Pd-CおよびTi-Pd-C合金にHPT加工を施し,構造及び組織解析を行い,組織制御の可能性を探る.

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Where and when are dislocations induced by thermal cycling in Ti-Ni shape memory alloys?2023

    • Author(s)
      Akamine H., Heima A., Soejima Y., Inamura T., Nishida M.
    • Journal Title

      Acta Materiallia

      Volume: 244 Pages: 118588:1-12

    • DOI

      10.1016/j.actamat.2022.118588

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

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