2023 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of Chiral Crystal Thin Films and Exploration of Chiral Spintronics
Project/Area Number |
22K18965
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金澤 直也 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (10734593)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | キラル結晶薄膜 / FeSi / スピントロニクス / スピン軌道トルク / スキルミオン / リザバーコンピューティング / 非線形ホール効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
キラル物質におけるスピントロニクス機能の開拓を行ってきた。特に、キラルな立方晶を有するFeSiの薄膜について多彩なスピン軌道結合物性とスピントロニクス機能応用への可能性を示すことができた。FeSiは非磁性絶縁体として知られていたが、バルクバンドのトポロジーの要請から、その表面には強磁性金属状態が発現する。本研究では、このユニークな表面状態に対して様々な異種物質を接合することによって、FeSi表面の電子状態・スピン状態を大きく変調・制御することに成功した。例えば、FeSi表面との軌道混成を極力抑制できるフッ化物絶縁体を接合することによって、室温強磁性状態を創出した。さらに界面の対称性の破れに由来した反対称的スピン軌道相互作用を利用することによって、スピン軌道トルクを介した電流誘起磁化反転現象を室温かつゼロ磁場の条件で実現することができた。従来のスピントロニクス素子においては強スピン軌道トルク効果を実現するために、原子番号の大きな重元素固有の強スピン軌道相互作用を活用していた。そのため希少または毒性の強い重元素原料を多量に含んでいる必要があった。ありふれた元素のみで構成されたFeSiにおいて、このようなMRAMといった次世代磁気情報素子の要素技術を再現できたことは、持続可能なスピントロニクス基盤の構築に大きく貢献できる可能性がある。 フッ化物接合以外にも、少量のPt層を接合させることによって、FeSi表面強磁性状態に磁気粒子スキルミオンを作り出すことができた。これらのスキルミオンの集合体は、従来よりも電流印加に対して堅牢な性質を有し、強い非線形応答を発生してくれることがわかった。特に7次にものぼる新しい高次非線形ホール効果が確認でき、リザバーコンピューティングといった応用に期待できる。 その他にも、スキルミオンやトポロジカル超伝導、創発インダクタに関する成果を挙げた。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] FeSexTe1-x thin films as a platform for exploring exotic superconducting states2024
Author(s)
Yuki Sato, Soma Nagahama, Ilya Belopolski, Ryutaro Yoshimi, Minoru Kawamura, Atsushi Tsukazaki, Naoya Kanazawa, Akiyoshi Yamada, Masashi Tokunaga, Kei S Takahashi, Masashi Kawasaki, Yoshinori Tokura
Organizer
APS March Meeting 2024
Int'l Joint Research
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[Presentation] MBE成長させたFe(Se,Te)薄膜における電子相図2023
Author(s)
永濱壮真, 佐藤雄貴, Ilya Belopolski, 吉見龍太郎, 川村稔, 塚﨑敦, 金澤直也, 高橋圭, 川崎雅司, 十倉好紀
Organizer
日本物理学会第78回年次大会
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[Presentation] MBE成長させたFe(Se,Te)薄膜の上部臨界磁場測定2023
Author(s)
佐藤雄貴, 永濱壮真, Ilya Belopolski, 吉見龍太郎, 川村稔, 塚﨑敦, 山田暉馨, 徳永将史, 金澤直也, 高橋圭, 川崎雅司, 十倉好紀
Organizer
日本物理学会第78回年次大会
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