2022 Fiscal Year Research-status Report
Cellar differentiation on the electronic semiconductor device induced by the electric stimulation
Project/Area Number |
22K18976
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
狩野 旬 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (50375408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰生 静岡大学, 情報学部, 准教授 (30550793)
竹田 哲也 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (30302368)
守屋 央朗 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (60500808)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体デバイス工学 / 応用分子細胞生物学 / 固体物理学 / 細胞分化 / 細胞運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,生体活動の一部を半導体製造プロセスで作製された電子デバイスでの補完が可能でないかと考えている。これは細胞内での生化学反応,レドックスサイクルによる核内での遺伝子発現制御などの生体内活動を,酸化還元反応による電子授受(電気化学的理解)と量子力学的な電子トンネリング(固体物理的)現象の組み合わせとして捉えてやることで,複雑系である生命現象の原理原則的理解へとつながる。本研究では,生命現象は複雑系の極みであるため, DX技術を導入する。ライブイメージングから,細胞挙動をリアルタイムで深層学習し,電気刺激による細胞制御方法を検討させ,速やかにAIに推論させた電気制御法を実験系にフィードバックさせ,現場実験を加速させることを目標とする。今年度は, 1)電気刺激に応答する形で分化していく過程の細胞形状の定量解析のハイスループット化 2)深層学習における破滅的忘却の抑制 を達成することができた。 1について,これまで我々は電気刺激に細胞が応答する現象を捉えることに成功していたが,解析に長時間を要することが研究推進のボトルネックになっていた。パイソンコードで記述したプログラムにより人の手がほとんど関与しない新しい解析法を構築した。その結果,これまで1実験あたり30時間要していた解析を2時間まで短縮することに成功し,自動化解析技術が確立できた。2について述べる。これまでAIを用いた画像解析において,継続学習下でAIがこれまでの学習内容を忘却してしまう問題があった。これを回避する手法としてElastic Weight Consolidation(EWC)がよく知られており,今回適用を試みた。EWC を用いて継続学習を行う場合の受容野の違いを可視化した結果,特徴マップの変化が大きく,破滅的忘却を十分抑制することはできなかった。現在新しいモデル提案を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイス設計,AI開発を提案書に従い行っており,一定の成果は得られているが,電気刺激実験においては実験室環境に大きく影響を受け再現性のあるデータ収集が順調ではない。AIについても破滅的忘却の抑制がまだ道半ばであるため,おおむね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の電気応答現象を定量的に捉える画像解析手法のハイスループット化が実現し本現象の実証に近づいてはいるが,ミトコンドリアの電子伝達系に電気刺激が直接作用していることが未証明なままである。AIによる深層学習は順調に進んでいるが,さらにデータを蓄積させながら行う継続学習において,破滅的忘却の抑制が課題となった。これらは2023年度前期を目処に解決させたい。現在,実験環境の整備を行っており,実験は中断させているが早々に解決させミトコンドリア電子伝達系の解明に取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
実験室環境整備のプランニングに時間を要したため,年度をまたいだ予算執行を避けたかったため。
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Research Products
(1 results)