2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of evolutionary and molecular basis of animal special functions based on genome information and its application to highly functional sensors
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22K19097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 東北大学, 農学研究科, 教授 (80240901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 弘紀 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80315093)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ピット器官 / TRPチャネル / 毒蛇 / ゲノム解読 / 酵母発現系 / 赤外線受容装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
「動物のもつ特殊機能」として,マムシ亜科毒蛇に特異的なピット器官受容体に着目し,TRPA1 チャネルおよび他のTRP チャネルの進化および構造と機能の詳細を明らかにする。このため,(1)マムシ亜科ヒメハブ(Ovophis okinavensis)およびハブゲノム解読による TRP チャネル群の遺伝子構造と進化の解明,(2)各種毒蛇のピット器官を含む様々な組織での TRP チャネルの遺伝子発現解析(トランスクリプトーム解析),(3) TRP チャネルタンパク質の酵母発現系構築と機能解析を行った。その結果,TRPA1 遺伝子は3 番染色体上に位置していることが判明した。加速進化の特徴を示す毒タンパク質遺伝子やインヒビター遺伝子がマイクロ染色体に載っているのに対して,TRPA1 遺伝子はマクロ染色体にあり異なっていた。同じ加速進化を示す TRPA1 であるが,毒タンパク質の加速進化の機構と異なることが示唆された。また,RNA-seq解析によりTRPA1チャネルは脳のほか目や胚性線維芽細胞でも発現していたが,ピット器官では発現量が低くかった。ピット器官ではTRPVやTRPMのいくつかのサブファミリーの発現が確認できた。 また,酵母BY4741株を用いてTRPA1タンパク質の発現を誘導した。yEGFP融合TRPA1の検出を共焦顕微鏡を用いたy EGFP融合TRPA 1の発現と細胞内局在を調べた所 、TRPA 1の発現が確認できた。TRPA1-yEGFP_p426GALでは細胞全体に蛍光が観察できた。またαファクターシグナルを付加したコンストラクトでは、細胞膜での局在が見られた。しかし,クライオ電子顕微鏡で解析するために必要な大量のサンプル調製には至らず,収量を増やすための工夫が必要である。
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