2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K19111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80311231)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 微生物間相互作用 / 赤痢アメーバ / 腸内細菌 / 活性天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従って、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる活性天然物を、保有する薬用資源ライブラリーから継続して探索した。その結果、新たに海洋由来放線菌の培養抽出物に、赤痢アメーバまたは大腸菌をそれぞれ単一培養した場合には、その生存や増殖に影響せず、共培養した場合にのみ赤痢アメーバの増殖を阻害する活性を見出した。また前年度活性を見出した海洋由来真菌の培養抽出物について、活性物質の単離と構造決定を進めた結果、ある種の脂肪酸が赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を阻害していることを明らかにした。現在、見出した脂肪酸に関する構造活性相関を進めている。一方、研究代表者が、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる活性天然物として見出した(-)-citrininについて、プローブ分子化を試みたが、活性を保持するプローブ分子の創出が困難であることが明らかになった。この為、責任分子同定方法を化合物のプローブ化が不要なプロテアーゼプロテクションアッセイに変更することとし、その条件検討を実施した。現在、基礎条件検討を終え、更なる解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
探索研究については、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる抽出物を見出すとともに、新たな活性物質を同定しており、計画通りに研究が進展した。一方、活性を保持するプローブ分子の創出が困難であることが明らかとなり、責任分子の同定については計画よりもやや遅れる結果となった為。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度見出した海洋由来放線菌の培養抽出物から、活性物質の単離を行い、その構造決定を進める。また、(-)-citrininを利用するプロテアーゼプロテクションアッセイ、LC-MSおよびGC-MSによる代謝産物の分析を通して、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用に掛かる責任分子の同定を進める。
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Causes of Carryover |
赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる責任分子の同定を、新たな手法で実施することになった為、これらの検討を行うための物品の購入費として執行する予定である。
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Remarks |
研究室ホームページ https://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b012/index.html
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