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2022 Fiscal Year Research-status Report

メダカの求愛パフォーマンスを規定する性染色体遺伝子の同定

Research Project

Project/Area Number 22K19198
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

大久保 範聡  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10370131)

Project Period (FY) 2022-06-30 – 2024-03-31
Keywords性染色体 / 魚類 / 生殖パフォーマンス / 脳
Outline of Annual Research Achievements

我々は最近、性染色体がメス型(XX)のオスのメダカは、通常のXYのオスよりもメスに「モテない」ことを見出した。XXオスは機能的な精子を作り、外部形態や求愛の頻度も、通常のXYオスと変わらない。にも関わらず、明らかにメスから受け入れられにくいのである。この発見は、性染色体の構成が、オスの求愛行動に関する何らかのパフォーマンスを左右し、オスのモテ度(つまり、適応度)に影響することを意味する。この発見を素直に解釈すると、メダカの性染色体上に、オスの求愛パフォーマンスを規定する中枢性の(脳で作用する)遺伝子が存在することになる。そこで本研究では、その遺伝子の同定に挑戦することとした。

事前の解析で、XYオスよりもXXオスの方が求愛のダンスが下手な印象を受けていた。そこで本年度は、この印象を確かめるために、XXオスとXYオスの求愛ダンスのスピードを比較解析した。その結果、XXオスの方がスピードが遅いことが明らかとなった。さらに詳細な解析が必要だが、この結果は、事前の印象の通り、XXオスの方が求愛のダンスが下手であることを示唆しており、このことがXXオスが「モテない」原因となっている可能性が考えられた。

また、XXオスとXYオスの求愛パフォーマンスの違いを生み出す性染色体上の遺伝子を探索する目的で、性成熟した両オスの脳でトランスクリプトーム解析(RNAシークエンシング)を行い、両オスの間で発現量に差があり、かつ性染色体上に存在する遺伝子を探索することとした。これまでにシークエンシングを終え、現在、得られた遺伝子のアノテーション作業を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

求愛のダンスが下手であることが、XXオスが「モテない」原因である可能性を示唆できたこと、また、トランスクリプトーム解析のシークエンシングを終えたことから、一定の成果が得られたと考えている。ただ、トランスクリプトーム解析で得られた遺伝子の数が予想よりも多く、遺伝子のアノテーション作業に時間が掛かっているため、研究全体としてはやや遅れ気味となっている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、トランスクリプトーム解析で得られた遺伝子のアノテーション作業を進め、それを終え次第、候補遺伝子の解析を進めていく。

Causes of Carryover

遺伝子のアノテーション作業に時間が掛かっており、候補遺伝子の解析まで進まなかったことが、次年度使用額が生じた要因である。その作業を終え次第、候補遺伝子の解析を進める予定であり、繰越し額は次年度に使い切る見込みである。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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