2023 Fiscal Year Research-status Report
連続するアミノ酸(PolyX)が生み出す細胞毒性のメカニズム
Project/Area Number |
22K19294
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
守屋 央朗 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (60500808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
紀藤 圭治 明治大学, 農学部, 専任教授 (40345632)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 酵母 / 過剰発現 / PolyX / タンパク質毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は連続するアミノ酸(PolyX)が生み出す細胞毒性のメカニズムと、PolyXがタンパク質の構造・機能に与える影響を体系的に明らかにすることである。本研究では、モデル真核生物である出芽酵母において、C末端に10の連続アミノ酸を付加した緑色蛍光タンパク質(GFP-PolyX)を発現し、それらの毒性を評価するとともに、GFP-PolyXが細胞の生理状態やタンパク質の性状に及ぼす影響を調査した。さらに、他種を対象として、ゲノムにコードされたPolyXとPolyX周辺配列を生物情報学的に調査した。その結果、GFP-PolyXのほとんどは何らかの毒性を持っており、特に疎水性アミノ酸が連続した場合に強い細胞毒性が発生することが分かった。一方、特定のPolyXはむしろGFPの発現により生じる増殖阻害を緩和する作用を持っていることが分かった。このPolyXは異種発現の際に毒性を下げる新しい発現タグとして利用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたPolyXの特性について体系的に調査することができた。その中で、いくつかのPolyXが生じさせる細胞毒性や、細胞毒性を緩和させる作用についての知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究の成果を学術論文として発表すること、PolyXの毒性発揮のメカニズムや毒性緩和のメカニズムについてより詳細な知見を得る。
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Causes of Carryover |
実験装置に不具合が生じたため次年度使用額が生じた。実験装置の修理は完了したため、本年度中に予算の使用が終了する計画である。
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Research Products
(3 results)