2022 Fiscal Year Research-status Report
空間オミクスによるシグナル伝達経路の擬似追跡法の確立
Project/Area Number |
22K19314
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富松 航佑 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (00614926)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 空間オミクス / 細胞老化 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体を構成する細胞は、細胞外環境からのシグナル伝達と、応答する遺伝子発現により状態が制御される。本研究では空間情報を保持し1細胞レベルでシグナル伝達とトランスクリプトームを同時取得する空間マルチオミクス手法を開発し、細胞の状態変化とシグナル伝達のダイナミクス追跡を可能にすることを目的とした。本年度は空間マルチオミクス手法の構築を行った。まず活性化シグナル伝達を網羅的に検出するため、細胞の染色と消光を繰り返す連続免疫染色法を開発した。薬剤で容易に開裂可能なリンカーを介して抗体に蛍光物質を付加し、抗体を用いた標的の染色後、薬剤で蛍光シグナルが消光されることを確認した。また消光後のサンプルを用いて他の標的タンパク質が染色されることを確認し、連続的にタンパク質の空間データを取得可能であることを示した。また併行して空間トランスクリプトーム手法RNA Seq-smFISHの立ち上げを行った。本手法は単一分子のRNAを輝点として検出し、細胞あたりの輝点数を遺伝子発現としてカウントする。RNAを検出するためのターゲット配列を決定し、標的RNAあたり24種類のプローブをデザインした。次にデザインしたプローブを用いてRNAを検出するために、サンプル調整法の条件検討を行った。サンプルをゲルに封入し、タンパク質除去を行うことでバックグラウンドの低減及び単一RNA分子の検出に成功した。さらに、上記の連続免疫染色後のサンプルを用いたSeq-smFISHの検討においてもRNA輝点が検出され、タンパク質とRNAの網羅的な同時解析に向けたプラットフォーム構築が完了した。今後はスループットを向上させるための系の自動化、実データ取得及び解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定に沿って、データ取得を進めており当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って進めていく。
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Research Products
(4 results)