2023 Fiscal Year Research-status Report
深海底熱水噴出孔チムニー内部における始原的古細菌の生態と代謝の解明
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22K19340
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 庸平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00359168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 昭夫 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (60260329)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 金属硫化物チムニー / 光熱変換赤外分光法 / Pacearhaeota |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「チムニー内部で始原的な特徴を有する生命が、どのように生命活動を営んでいるのか?」という問いを解明することである。令和4年度は、先行するメタゲノム解析に加えプロテオーム解析を実施することで、深海熱水噴出孔チムニー内部でDPANN古細菌のPacearchaeotaが優先していることを明らかにした。令和5年度は、深海熱水噴出孔チムニー内部に生息する微生物の共生を明らかにした。 さらに、南マリアナトラフの熱水噴出域で採取したチムニー試料を、精密ダイヤモンドバンドソーを用いて切断し、分析用の薄片を作成した。樹脂埋めなしで作成した薄片は、切断面の研磨等の処理をせずに分析に供した。次に、光熱変換赤外分光法(Optical-photothermal IR spectroscopy, O-PTIR)を用いて、チムニー内部で微生物が生息する箇所を詳細に解析した。また、別に作成した同サイトのチムニー薄片試料 を対象に、大型放射光施設(SPring-8)の軟X線光物性ビームラインBL17SUにて解析した結果とも比較した。R5年度の結果は、R4年度分とまとめ、論文化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度末に結果を取りまとめ論文を作成し国際誌へ投稿を行ったが、データの追加と再投稿が必要となった。補助事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施や論文投稿などを、R6年度に行うことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年4月の時点で必要な追加実験は完了しているので、再投稿のための準備を行なっているところである。
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Causes of Carryover |
R5年度末に結果を取りまとめ論文を作成し国際誌へ投稿を行ったが、データの追加と再投稿が必要となった。論文投稿費用のため、オープンアクセス料と英文校閲費が必要となったため、次年度使用額が生じた。
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