2023 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病発症起点としてのmicrobiome-gut連関機構の解明
Project/Area Number |
22K19512
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
斉木 臣二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00339996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊輔 帝京大学, 医学部, 教授 (30579272)
石川 大 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30622675)
松本 光晴 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 主幹研究員 (50505972)
鎌形 康司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60568153)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / メタボローム解析 / 腸内細菌叢 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)は運動症状、精神症状、及び多彩な自律神経症状を呈する全身疾患であり、その原因として主に黒質ドパミン神経細胞や自律神経細胞障害が想定されている。本研究では、自律神経から中枢神経にalpha-synuclein(aSyn)病理が伝播とするというBraak仮説に則り、腸管迷走神経終末でのaSyn沈着を最初期病変と捉え、「この発端となる病理変化が如何なる腸内細菌叢変化によるのか」を明らかにすることに挑戦した。 具体的にはまず均一なPD患者群での糞便代謝産物変化(糞便の網羅的メタボローム解析)、腸内細菌叢変化(ショットガンメタゲノム解析)、及び腸管粘膜aSyn沈着(下部消化管内視鏡検査により生検切片の病理組織学的検討)の重症度を捉える。このaSyn重症度に直結する糞便代謝産物(群)を特定し、それを産生する原因菌を明らかにする。その原因菌を導入したノトバイオートマウス(研究分担者松本光晴による)で病態再現性を検証し、因果律を確認する。本研究により、PD発症機序を「治療介入しやすい腸内細菌叢変化」に落とし込むことが可能となり、簡便かつ病態に即した疾患修飾療法の開発に結びつくと考える。 2年間の研究期間中である、2023年1月1日に研究代表者は順天堂大学大学院医学研究科から筑波大学医学医療系に異動した。そのため、筑波大学にて改めて特定臨床研究の申請手続きを実施している。当初の予定通り、パーキンソン病・健常者の末梢血液サンプル・糞便サンプルなどの集積を進めた。現在血漿・糞便メタボローム解析データ、ショットガンメタゲノム解析データの統合的解析を進めている。これらにより、PD初期病変の起点となる細菌叢変化を同定し、ノトバイオートマウスでの解析に進む予定である。
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Research Products
(3 results)