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2022 Fiscal Year Research-status Report

A mini-organ culture system with cancer immune microenvironment recapitulating in vivo

Research Project

Project/Area Number 22K19564
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

清木 誠  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 永野 浩昭  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294050)
浅岡 洋一  山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10436644)
宮本 達雄  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40452627)
硲 彰一  山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (50253159)
柴田 健輔  山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2024-03-31
Keywordsメカノホメオスターシス / 人工腸管 / オルガノイド / 腸内細菌叢 / 免疫チェックポイント
Outline of Annual Research Achievements

現在のがん治療は、標準治療を試し効果を確認しながら手探りで進められる。あらかじめ有効薬剤を同定してから治療が開始できれば、予後改善、苦痛の低減が期待できる。そこで、私たちが見いだした場の“力学的”制御機構であるYAP-メカノホメオスターシスのメカニズムを活用し、抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤への抵抗性の源であるがん免疫微小環境の培養系を構築するのが本研究の目的である。
マイクロデバイスを用いて腸オルガノイドに陰窩の形態を持たせたマウスミニ腸管は、腸内細菌叢を管腔内に持ち、再生能もあり、生体に近い機能を持つ臓器培養系である。本研究では、独自のYAP-メカノホメオスターシスの視点から、ミニ腸管に血管・免疫系を導入後ヒト化し、手術検体を用いて患者ごとに異なるがん免疫微小環境培養系を創出する。
本年度は、ヒト化ミニ腸管作製のためのプラットフォームを構築した。これまでの腸管の形の硬さを付与してYAP-メカノホメオスターシスを最適化する方法でマウス腸管は作製できたがヒト腸管作製が困難であった。ヒト腸幹細胞を2mm程度のソーセージ状にすると自己組織化により腸管ができる系を構築した。同時に、YAP活性をin vivoでモニターできるYAP-RFPノックインマウスを作製し、このマウスから腸管オルガノイドを作製した。現在、このYAP-RFPマウス腸幹細胞をソーセージ状にして腸管作製の最適化を行っている。これに、既に確立済みの人工毛細血管作製と持続的血液循環技術を用いて免疫微小環境を作出する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、ヒト化がん免疫微小環境培養系を創出するための実験系の構築を行った。
(1)腸幹細胞ソーセージ作製用プラットフォームの構築: 自己組織化により管腔を持った腸管となる腸幹細胞ソーセージを作製するために、①培養した多量の腸幹細胞の硬さを最適化した倒立顕微鏡下で、②低温で液状のマトリクスゲル中で、③マイクロピペットに微量注入ポンプを用いて高圧をかけて押しだしソーセージを作製できるようにした。
(2) YAP-メカノホメオスターシスの状態をモニターするための腸オルガノイドの作製: YAP-RFPノックインマウスと腸幹細胞を可視化できるLgr5-GFPマウスを交配したマウスから腸管オルガノイドを作製した。これにより、腸幹細胞でのYAP活性化をモニターできる。ヒト腸管オルガノイドにCRISPR-Cas9によりYAP遺伝子にRFPをノックインしたものを作成中である。
(3)免疫微小環境マイクロデバイスの作製: 作製する腸管の管腔に細菌叢を環流し、腸管の周囲に人工毛細血管を配置するマイクロデバイスの設計を行った。次年度は、これらの3つの実験系を統合して、ヒト免疫微小環境培養系を作出する予定である。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、これまでに樹立した3つの実験系を統合して、マウス免疫微小環境培養系を作製し、生体を反映しているかを最適化した後、ヒト化を行う。
(1)マウス腸管作製系の最適化: 腸幹細胞ソーセージ作製プラットフォームを用いて、YAP-RFP: Lgr-5GFPマウス(B6系統)由来の腸幹細胞を用いて作製する。腸幹細胞でのYAP活性化をモニターして管腔形成や、細胞分化の最適化を行う。腸管周囲のマトリクスには、間葉系の細胞を導入する。管腔に腸内細菌をperfusionできるように配管する。
(2) がんの進展系の作製: 腸幹細胞ソーセージ作製時に、少数の大腸がん細胞株を混ぜることにより、がん細胞の増殖・進展を観察可能にする。
(3)免疫系の付与:更に人工血管循環系に同系統の免疫細胞を循環させて、がん細胞を免疫細胞が攻撃する系を構築する。
(4)作成したヒトミニ腸管が生体を反映しているかを検証するため、シングルセル解析とPD-1抗体投与によるがん細胞殺傷能などの機能的解析を行う。以上により、腸管でのがんの進展と、それに対する免疫反応をライブイメージングできる系を構築する。次に、ヒト手術サンプルから作製した正常部位とがん組織からの腸管オルガノイドを用いて、人工腸管を作製し、患者血液細胞と腸内細菌叢を付与し、患者のがん微小環境培養系を構築する。

Causes of Carryover

コロナ禍のため、人工腸管作成用の実験機材の納入が3月末に間に合わない可能性があったために、次年度使用が生じた。

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Published: 2023-12-25  

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