2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of an in vivo model for the evaluation of childhood leukemia using the hematopoietic environment within a teratoma.
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22K19681
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
高橋 正行 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (20556782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50625580)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 小児白血病 / 疾患モデルマウス / 疾患モデル細胞 / ヒトiPS細胞 / 造血環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画初年度となる2022年度は、小児白血病遺伝子発現ヒトiPS細胞を用いたテラトーマの形成と、テラトーマ内に含まれる血液細胞の前白血病状態への移行を検討した。小児白血病遺伝子発現ヒトiPS細胞には研究代表者がこれまでに樹立したETV6-RUNX1発現ヒトiPS細胞を用い、研究分担者が開発した方法を参考に、重度免疫不全マウスに移植することでテラトーマを形成した。テラトーマ内には、ヒトCD45陽性細胞が含まれており、B細胞系や骨髄球系への分化が進んでいること確認した。移植したヒトiPS細胞はDOX存在下でのみ ETV6-RUNX1を発現する特徴を有するため、テラトーマ形成マウスに DOXを飲水投与し、テラトーマ内のヒト血液細胞において ETV6-RUNX1を発現・作用させた。DOXの飲水投与下で飼育しテラトーマを増大させた後、フローサイトメトリーにて詳細に解析した結果、ETV6-RUNX1発現ヒトiPS細胞を移植したマウスのテラトーマには、正常なヒトiPS細胞由来のテラトーマと比較し、Pro-B細胞後期からPre-B細胞に当たるヒトCD10陽性細胞が顕著に高い割合で含まれていることを確認した。CD19陽性細胞に対するCD10陽性細胞の割合比が高かったことから、CD10陽性細胞からCD19陽性細胞への分化段階で障害が生じたと考えられ、ETV6-RUNX1の発現・作用により前白血病様の状態へと移行したことが示唆された。 また、乳児期に発症するALLに特徴的に検出され予後不良の指標でもある、 KMT2A-AFF1に着目し、新たに KMT2A-AFF1発現ヒトiPS細胞を樹立した。ETV6-RUNX1発現ヒトiPS細胞と同様、 KMT2A-AFF1の発現にはDOXによる発現誘導システムを採用した(学術論文の投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度目標である小児ALL遺伝子発現ヒトiPS細胞を用いたテラトーマ形成とテラトーマ内での前白血病様状態への移行を達成し、本課題の最終目標である小児白血病評価用in vivoモデルの確立に向けて道筋を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に作製した前白血病状態に移行したテラトーマ形成マウスに対し、既知の白血病誘導因子を作用させることで白血化を検証し、その結果を以て小児ALL評価用in vivoモデルの確立とする。2022年度に新たに樹立したKMT2A-AFF1発現ヒトiPS細胞を用いた in vivoモデルの開発も並行して実施する。
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Causes of Carryover |
[理由] Covid-19およびウクライナ戦争の影響で納期遅延が生じた物品があったため。 [使用計画] 納期遅延が生じた物品の購入に充てる。
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