2023 Fiscal Year Research-status Report
統一的な近似計算適用原理の発見とその計算基盤の実現
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22K19774
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津邑 公暁 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 透 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20981525)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | Approximate Computing / 非厳密計算 / 値再利用 / 値予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の自動メモ化プロセッサの構成を刷新し,アウトオブオーダプロセッサ向けの自動メモ化機構のマイクロアーキテクチャを設計した.このとき,ハードウェアコストが高くならないことおよび高い性能を達成することの両立を目指した.さらに,自動メモ化プロセッサの高速化のために,予測による命令の投機実行を提案した.まず,再利用テストで用いられる入力アドレスを予測し,再利用ロード命令を投機的に挿入することで,再利用テストにかかる時間を短縮できる手法を提案した.また,関数実行で得られる出力値を予測し,関数復帰先の命令を投機的に実行することで,再利用テストに成功した場合の利得を増大させる手法を提案した. これらの改変を施したアウトオブオーダ向け自動メモ化機構の性能を示すために,シミュレーションによる評価を行った.評価の結果,提案したアウトオブオーダ自動メモ化プロセッサは通常のアウトオブオーダプロセッサを最大8.2%上回る性能を確認した.また,入力アドレス予測および出力値予測による命令の投機実行を導入した場合,最大18.4%の性能向上が見られた.これらの結果から,投機的な計算再利用の仕組みが自動メモ化プロセッサの高速化に寄与することを確認できた.一方で性能が低下するプログラムも存在したが,これに対して計算再利用を適用する関数を適切に選択できると仮定した評価を行った結果,既存の研究同様に性能低下が抑えられたことから,計算再利用の適用適否を判断するアルゴリズムに問題があることが判明した.したがって,計算再利用の適用適否を判定するアルゴリズムを修正する必要はあるものの,今回提案したマイクロアーキテクチャは高い性能向上が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算基盤となるプロセッサモデルの設計・実装を評価するにあたって,現在使用しているシミュレータでは評価精度が十分でないことが明らかになったため,シミュレータの開発にとりかかっている。具体的には,現代的アウトオブオーダプロセッサをベースとした計算再利用機構の設計を行い,これをサイクルアキュレートにシミュレーション可能なシミュレータの開発を行った。その上で,アウトオブオーダプロセッサに適した,計算再利用機構の高速化・省電力化を盛り込み,また,計算再利用のオーバヘッドを抑制するにあたっては値予測のアイディアを導入した。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレータ開発はおおむね完了したため,計算近似度の自動調整機能の検討・実装にとりかかる。この準備として,さまざまな応用アプリケーションの振る舞いを詳細に解析し,入力近似度が出力誤差に与える影響についても調査する。また,新たに組み込んだ値再利用と値予測との融合によるオーバヘッドの抑制,および,ルックアップテーブルの省電力実装について引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
投稿予定であった国際会議論文およびジャーナル論文の執筆が遅れたため,投稿を次年度に持ち越すことになり,関係する参加費・旅費・掲載料を次年度に使用することとなった。
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Research Products
(10 results)