2023 Fiscal Year Research-status Report
Microbial encapsulation with porous polymer membrane for engineered microbial community
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22K19865
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (70823524)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ペルフルオロアルキル化合物(PFAS) / バイオレメディエーション / 生物処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
PFOS分解細菌集積株において優占する細菌の全ゲノムを、ハイブリッドゲノムアセンブリー法を用いて解析した。アセンブルされた7つのコンティグの中で、2つのMAG(Metagenome-assembled genome)が完全に構築できた。これらのMAGからは、脱スルホン化および脱フッ素化に関連する遺伝子が同定された。,これらの遺伝子は、遺伝子発現解析の結果では高い発現量を示したが,PFOSありとなし(control)の両条件下で発現量に有意な差はなかった。一方,統計的に有意に発現量が変化した遺伝子(有意水準:FDR<0.001)はすべてPFOS添加条件下で発現量が低下していたものに限られた。しかし、利用可能なデータベースの限界により、これらの遺伝子がPFOS分解経路にどのように関与するかについての詳細な知見を得ることはできなかった。検出された代謝産物と得られたMAGより,本研究で得られたPFOS分解細菌のPFOS分解代謝経路において,脱硫酸および脱フッ素化過程が存在していたが示唆された。 また,実際の汚染水をマトリックスとしてメタノール添加による分解率を比較したところ,本研究で得られたPFOS分解細菌は,追加の炭素源がなくてもPFOSを分解可能であることが明らかになった。さらに,昨年度選抜した2種類の陰イオン交換樹脂を用いてカラム試験(シャローベッド試験)を行い,より実際的な処理条件下において,選抜樹脂のPFOS・PFOA除去に対する有効性と,環境水中の溶存有機物が樹脂の吸着性能に正負両方の影響を与えることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタノール添加による効果を明らかにし,分解細菌のドラフトゲノムを得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
微生物カプセルを充填したカラムによるPFOS除去試験を行い,PFOS・PFOA吸着能の高い多孔性の陰イオン交換樹脂との除去性能の比較を行う。また,微生物カプセルによるPFOS除去におけるカプセル表面膜への吸着と生物分解それぞれの寄与率を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は,主に配列データ解析に多くの時間を割いたため,分解実験が予定より少なくなったため。来年度に分解実験に使用する。
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