2023 Fiscal Year Research-status Report
Separation of impurities by electrochemical reaction: Toward versatile recycling of waste glass materials
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22K19881
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
明本 靖広 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究主任 (20825955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲野 浩行 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 主査 (00469694)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ガラス廃材 / 酸化還元 / 溶融塩 / 不純物分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々なガラス廃材のリサイクルを促進するために、着色成分である金属や溶融リサイクルにおいて障害となる可能性のある不純物を、電気化学反応を利用して取り除くことを目指している。 本年度は昨年度に製作した開閉式電気炉を用い、酸化銅を添加することで青色に着色したガラスを対象に銅の分離を試みた。陽極近傍では色味が薄くなり、陰極近傍では褐色の沈殿生成が確認された。褐色の沈殿に関しての同定は不完全であるものの、X線回折装置による解析によって銅の沈殿であることが示唆された。ガラス試料の成分分析に関しては走査型電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線分光分析および蛍光X線分析を試みたが、濃度が低いことと試料量が少ないという点で困難であった。そこで、過塩素酸やふっ化水素酸などを用いた湿式分解を行うことで、液体試料とすることができたため、次年度以降に誘導結合プラズマ発光分光分析もしくは原子吸光分析によって評価することとした。本年度から検討を進めている電極の引き抜きに関しては、溶融状態のガラスから白金線を抜く際に、試料そのものを視認できないために燃焼ボートそのものが転倒する恐れがあり、転倒防止策を講じることとした。 また、市販されている瓶ガラスの成分分析を蛍光X線分析にて行い、着色要因となる金属が概ね0.05%~0.1%の範囲で添加されていることを確認した。銅に関しては事前に濃度情報を取得していたが、青色でも色味が違うものや緑色のガラスなどにおける金属種や濃度を把握することができた。これらの市販品の情報は次年度以降の模擬試料を作製する際の濃度設定に使用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電位の印加条件やガラス試料の分析方法に関しては概ね把握・実施することができており、自作した電気炉も昇温・温度維持の点で問題なく動作している。電極の引き抜きに関しては装置構成上の課題が明らかになってきたため、引き続き検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に調査した市販のガラス瓶の金属種・濃度情報を基に、他色の模擬試料を作製して試験を実施する予定である。また、引き続き電極の引き抜き方法に関して検討を進めるとともに、ガラス中での電気化学反応について熱力学的観点からの考察を進める予定である。
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Causes of Carryover |
物品購入時の差額などにより未使用分が生じたが、基本的には計画通りの予算執行ができている。未使用分に関しては次年度の物品購入等に活用する。
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Research Products
(2 results)