2022 Fiscal Year Research-status Report
Strategic creation of polymer-lipid hybrid nanoparticles for tissue-selective nucleic acid delivery
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22K19907
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
磯野 拓也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70740075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原島 秀吉 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (00183567)
佐藤 悠介 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10735624)
佐藤 敏文 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80291235)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / ドラッグデリバリーシステム / 精密重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、構造的・物理化学的に多様なアミノ化ポリエステルを精密合成し、それをベースとした高分子-脂質ハイブリッドナノ粒子のスクリーニングを通じて各主要臓器へ選択的に核酸送達可能なキャリア創出を目的としている。今年度は主に下記を行った。 ①アミノアルコール誘導体を開始剤とした各種7員環ラクトンの開環重合によってアミノポリエステルライブラリの構築を行った。アミノアルコール開始剤には水酸基と3級アミノ基を分子内に複数含有する化合物を用いた。7員環ラクトンには、ε-カプロラクトン骨格に対して様々な位置に炭素数の異なる側鎖を導入した化合物を採用した。開始剤、モノマーならびに重合度の3つを変数として、様々な組み合わせのアミノ化ポリエステルの合成を試み、合計で100種類以上からなるライブラリを構築することに成功した。続いて、得られた各種アミノ化ポリエステルをヘルパー脂質およびmRNAと混合することでmRNA内包ナノ粒子を調製した。これらをマウスによるin vivo評価を行ったところ、多くのナノ粒子は肝臓での遺伝子発現は確認されず、脾臓または肺での遺伝子発現が確認された。デリバリー性能とポリマー分子構造に明確な相関関係は見られなかったが、開始剤とモノマーの構造はともに臓器特異性と発現効率に影響し、重合度はあまり影響を与えない傾向が確認された。 ②より簡便にアミノポリエステルライブラリを構築する合成系の確立を目指し、グリシジルアミンと環状酸無水物の開環交互共重合を検討した。本重合系に適した触媒をスクリーニングしたところ、有機強塩基が有効であることを見出した。また、適切な重合条件を見出すことができ、アミノポリエステルの新規ライブラリ構築手法としての可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7員環ラクトンをベースとしたアミノポリエステルに関してライブラリ構築とin vivo評価が達成され、さらに脾臓および肺に対してデリバリー出来るmRNA内包高分子-脂質ハイブリッドナノ粒子を得ることが出来た。また、新たなアミノポリエステルライブラリの構築に向けた重合系の開発にも成功している。以上より、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アミノポリエステルライブラリの構築とin vivo評価を繰り返すことで、臓器選択性や発現効率が向上した高分子-脂質ハイブリッドナノ粒子の取得を目指す。また、このスクリーニング結果から、ポリマー分子構造とデリバリー性能に関する相関関係の理解を目指す。
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Research Products
(8 results)