2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of epigenetic regulation techniques using drug delivery systems for kidney regeneration treatment
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22K19941
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
戸上 紘平 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (20582357)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 腎線維芽細胞 / 腎線維症 / 腎間質 / 抗体フラグメント |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、腎間質領域へのDrug delivery systemの開発を目指し、抗体フラグメントを利用した中分子ドラッグキャリアの構築を進めた。得られた抗体フラグメントを片側尿管結紮(UUO)腎線維化モデルマウスに投与し、血中濃度による動態解析および腎凍結切片観察による腎組織内における分布特性の評価を進めた。また、in vitroでは種々の近位尿細管上皮細胞株を用いて、抗体フラグメントの透過機構および特性を評価した。現在までに作製している抗体フラグメントは、腎線維化に伴う血管漏出性の増大の利用と、尿細管上皮細胞のトランスサイトーシス機構による尿細管再吸収過程を利用することで、腎間質への効率的な移行を達成しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は8月末までUniversity of North Carolina at Chapel Hill(米国)に留学していたため、実際の実験に充てられた期間がやや短かったことに起因する。また、留学中に得た技術を課題研究に組み込むための予備検討に時間を要したのも一因である。しかしながら、これらは本研究課題の充実に不可欠なものであり、この遅れがより優れた研究に繋がるものと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は課題研究の主題である、エピジェネティクスの制御による腎線維化の抑制および改善について取り組む予定である。現在のところ、制御するための候補化合物を見出している段階にある。早期にまずUUO腎線維化モデルマウスに大量投与して、その実現可能性について検証する。得られた成果に基づいて、ドラッグデリバリーシステムを用いた効率的な送達方法について着手する。
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Causes of Carryover |
実験に用いる試薬の一部が2023年度内の入手が難しくなり、2024年度に改めて購入することになったため。なお、このことによる研究計画への影響はない。
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