• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

京都学派の植民地朝鮮への影響に関する研究:京都帝国大学哲学科出身の朝鮮人を中心に

Research Project

Project/Area Number 22K19954
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

閔 東曄  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (10967433)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords日朝思想交流史 / 京都学派 / 京都帝国大学哲学科 / 朝鮮人留学生 / 崔鉉培
Outline of Annual Research Achievements

本研究は京都学派の植民地朝鮮への影響を明らかにするため、京都帝国大学哲学科で学んだ朝鮮人留学生に注目し、彼らがどのような環境で修学していたか、またそれがその後の思想活動にどのような影響を及ぼしたかについて考察を試みるものである。
令和4(2022)年度は、まず、朝鮮人留学生が京都帝国大学哲学科出身の朝鮮人留学生の修学環境について資料調査を行った。京都帝国大学哲学科関係資料を手掛かりに全数調査を行い、留学生の同窓会関係資料や回想録などから修学環境について考察することができた。また、これまで比較的に多く言及されてきた朝鮮語学者・教育哲学者崔鉉培の活動に焦点を当て、彼が京都帝国大学で具体的にどのような知的経験を得ていたかを究明すべく、履修した講義題目や内容を実証的に再構成し、留学時代に執筆された『朝鮮民族更生の道』における哲学内容を中心に彼の初期思想にどのように影響していたのかについて分析作業を行った。その成果の一部は、日本韓国研究会第5回研究例会にて報告を行った。これは、哲学者としての崔鉉培像を京都帝国大学哲学科という場に注目して明らかにする初の試みだといえる。今後、韓国での資料調査を踏まえて、論文執筆につなげていく予定である。
なお、初年度に予定していた韓国・ソウルでの資料調査は以前から続くコロナ禍の影響等により実施できなかったが、取り寄せが可能な資料を中心に収集・整理・分析を行った。また、新たに入手した京都帝国大学時代の崔鉉培に関する資料を収集・整理・分析し、京都学派思想と崔鉉培思想の関連性について深く考察するための基礎作業ができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4(2022)年は予定していた韓国・ソウルでの資料調査がコロナ禍の影響等により叶わなかったが、2年目に予定していた、京都帝国大学哲学科出身の代表的な知識人である崔鉉培の思想活動に関わる資料を収集・整理・分析することができた。また、京都帝国大学哲学科関連資料を収集するために予定していた京都大学大学文書館での資料調査が当館の資料移転等作業による閲覧室の休室が続いていたため実施できなかった。しかし、国立国会図書館や京都府立京都学・歴彩館等において新たに京都帝国大学哲学科関連資料を収集し、京都帝国大学時代の崔鉉培の知的経験を追跡することで、京都学派との思想的な関係について研究を進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

令和5(2023)年度は、まず、前年度に実施できなかった海外調査を行う予定である。それによって、崔鉉培や李鍾雨、田元培を中心に京都帝国大学哲学科出身の朝鮮知識人に関する最新の研究や関連資料を調査・収集し、講読・分析する。テクスト分析に際しては、同時代の京都学派のテクストと同時に読解を進めることで、両者の共通点や相違点を浮き彫りにできると考える。また、京都大学大学文書館などでの資料調査を行い、京都帝国大学哲学科の教授や講義関係資料を収集・分析し、1年目に取り組んだ研究の補足調査を行う。これらの成果は学会で発表し、関連研究者との情報交換などを踏まえ、論文として結実させたいと考えている。京都帝国大学哲学科出身の朝鮮人留学生に関する研究は、文学や哲学、歴史学(社会史・思想史)などのディシプリンを横断する試みとして、日本や韓国などの関連研究を発展させるとともに、日朝思想交流史、ひいては東アジア思想交流史研究の活性化に貢献できると考えられる。

Causes of Carryover

令和4(2022)年度は、コロナウィルスの流行状況が続いていたため、予定していた韓国への海外出張が叶わなかった。また、予定していた京都大学大学文書館での資料調査が同館の資料移転作業等による閲覧室の休室状況が続いていたため、実施できなかった。この状況を補うために、令和5(2023)年度には国外・国内出張の機会を増やして資料の補完調査を行う予定である。また同時に、2年目の研究計画を予定通りに進めていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 崔鉉培の初期思想に関する一考察―京都帝国大学時代を中心に―2023

    • Author(s)
      閔東曄
    • Organizer
      日本韓国研究会第5回研究例会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi