• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

戦間期イギリス領香港の衛生行政と華人社会ー植民地エリートの活動に注目して

Research Project

Project/Area Number 22K20060
Research InstitutionNagoya University of Foreign Studies

Principal Investigator

小堀 慎悟  名古屋外国語大学, 外国語学部, 講師 (70962413)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords公衆衛生 / 生権力 / 香港 / イギリス帝国 / 中国 / 歴史学 / 近現代
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、まず広く近現代中国史研究・植民地研究・香港研究・公衆衛生史研究に関する史料・文献の収集した。新型コロナウィルス感染症の流行の影響で海外で史料収集を行うことができなかったが、国内からオンラインでアクセス可能な史料、購入可能な文献を集中的に収集し、読解・分析することができた。
このうち、植民地研究・公衆衛生史研究の観点については、論文「植民地における「衛生の生権力」の射程と限界ー近代のイギリス領香港における公衆衛生対策を例としてー」が『名古屋外国語大学論集』第12号に掲載された。この論文では、「衛生の生権力」を、「息を吸うこと・飲むこと・食べること・触れること・動くことといった生物としての根源的な活動への介入を通して、人間が「不健康のもと」と「接触」することを防ぎ、「健康のもと」と「接触」することを助け、それらを素により「健全」な身体を作り出すよう促す」ものと定義した。そして、19世紀末から20世紀前半のイギリス領香港の「衛生の生権力」が行使される場面において、現地社会の華人エリート層がその「同意」あるいは「反対」に重要な役割を果たしていたこと、「衛生の生権力」の限界の要因が植民地当局と現地社会の双方にあったこと明らかにすることができた。
さらに、戦間期の華人エリート層の政治参加について、彼らの活動を近現代中国史研究・香港研究の文脈から位置付けるため、戦間期の「潔浄局(Sanitary Board)」議員選挙における華人エリートの活動に関する史料・文献の分析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナウィルス感染症の流行の影響で海外で史料収集を行うことができなかったが、オンラインを通じて多くの二次文献を収集したほか、一定の一次史料にもアクセスすることができた。また、その成果の一部を論文として発表することができた。戦間期の華人エリート層の政治参加についても、収集した史料・文献から一定の見通しをつけることができている。

Strategy for Future Research Activity

現在、新型コロナウィルス感染症に関する行動制限が各地で大きく緩和されたため、今年度は8月にイギリスあるいは香港での史料・文献収集を予定している。それまでに分析を終えた内容に史料収集の成果を加えて、年度内に戦間期の華人エリート層の政治参加についての論文を学術雑誌に投稿し、掲載されることを目指す。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、香港では2023年3月まで入境者への行動制限が設けられていたため、史料調査を行うことができなかった。2023年度はイギリスあるいは香港での史料調査を計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 植民地における「衛生の生権力」の射程と限界 ―近代のイギリス領香港における公衆衛生対策を例として―2023

    • Author(s)
      小堀 慎悟
    • Journal Title

      名古屋外国語大学論集

      Volume: 12 Pages: 85~110

    • DOI

      10.15073/00001706

    • Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi