2022 Fiscal Year Research-status Report
地域社会の「危機」を捉える民俗学的視座の構築に向けた基礎的研究
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22K20070
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
辻本 侑生 弘前大学, 地域創生本部, 助教 (80958950)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 危機 / 津波 / 焼畑 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づいて、(1)「危機」に関する理論的整理と、(2)「危機」に関する事例研究として、北東北各地でのフィールドワークや資料調査を行った。 (1)の「危機」に関する理論的整理については、国立国会図書館等での文献渉猟や学会等への出席によって情報収集を進めたほか、福島県立博物館に所蔵されている山口弥一郎旧蔵資料の閲覧調査を行った。 (2)の「危機」に関する事例研究については、津波被害を受けてきた海村と、凶作の被害を受けてきた山村について、それぞれフィールドワーク等を進めた。 津波被害を受けてきた海村については、2022年後半に青森県三沢市沿岸部において津波による集落移動史について調査を行った。調査の過程において、地域住民の皆様が本研究の内容に強く関心を示してくださったことから、調査の中間的な成果について、2023年2月26日に三川目公民館で実施された、三沢市災害に強いまちづくり市民提案事業 『三川目津波防災を考える日』(三沢市三川目防災会主催)で報告する機会を得るなど、一定の成果を挙げている。 また、凶作・焼畑に関する調査としては、文献調査によって北東北各地の民俗誌的事例を収集し、それらのデータの分析結果を2022年10月に熊本大学で開催された日本民俗学会年会で口頭発表した。さらに、そこでの発表内容を、学会で出席者から得たコメントを踏まえて文章化し、『弘前大学國史研究』に査読付き論文として掲載されることが決定するなど、一定の成果を挙げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題による成果が2023年5月に査読論文として掲載されることが決まったほか、三沢市においては地域住民主催のイベントで研究成果の中間報告をする機会を得るなど、学術・社会連携の双方の観点から、当初計画以上の成果が生まれているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究実施計画に基づいて、理論的整理や北東北各地でのフィールドワークを進め、研究期間終了後には「危機」の視点から地域社会の長期的変動を捉えた論文を民俗学の学術雑誌に発表できる状態となることを目指す。
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Causes of Carryover |
昨年度は調査対象地との関係構築など、研究の初期段階における体制づくりに注力したため、物品費(図書費)の支出が想定より少なくなった。 今年度は、昨年度の成果を踏まえてフィールドワークを進めるとともに、フィールドで得たデータの分析や理論化を進めるための物品費(図書費)や、研究の中間成果を報告するための旅費(学会出張費)等の執行を進める。
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Research Products
(4 results)